子供のころの恐怖と今の恐怖
児童文学の母・松谷みよ子氏が生んだ「怪談レストラン」。原作では様々な物語が紡がれ、バッドエンドに終わるか、後味の悪いままで終わり子供の恐怖をあおるような内容だったが、アニメ版では比較的ハッピーエンドという形で終わる話もあった。しかし、やはり原作の恐怖を忠実に表現した話もある。
アニメ版では主要キャラは可愛らしいため、見るこちら側としてもとても良いものであったが、一時期エンディングでそれらを完璧に無視して恐怖を倍増するような演出が施された時期もあった。
通常は踊りを踊るお化けたち、最後に海で溺れた闇のギャルソン(お化けギャルソンの過去の姿という設定になっている。)の元へ歩く主人公・アコの微笑みのシーンで終わるが、その時だけは何かが違った。
ンディングテーマがそのまま流れ、怖い話が紡がれ、終わりと共にその話の恐怖場面を切り取って放送終了という心臓に悪い方法であった。夜に一人見るには十分すぎるほどの恐怖だった。いきなり出てくるんだもん…。
また、話の中では第2クール目の「悪夢の続き」。アコの悪夢が友達へと渡り、次々とひどい怪我を負っていく。その現象を止めるために何とか奮闘し、ハッピーエンドで終わるかと思いきや違った。
「自分たちの悪夢の続きを見るのは、もしかしたらこの町の誰かかもしれないし…。…別の誰かかもしれない。」
アコの友人・ショウが終わり際に言ったこの一言。見ていた私、いや視聴者全員がひやっとしたことであろう。これはアニメの出来事だけではなく、現実で起こり得る可能性があるということを示しているのかもしれない。
このように現代の私たちに問いかけるような話もあるのだ。
子供のころの恐怖と今の恐怖は違うようで、実は根本的に変わらず同じなのかもしれない。
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