シリーズ最終章に向かう前の序章 - ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1の感想

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シリーズ最終章に向かう前の序章

5.05.0
映像
5.0
脚本
5.0
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
5.0

目次

いろいろ面倒なロン・ウィーズリー

ハリーたち3人は、ドローレス・アンブリッジに奪われたペンダントを取り戻そうと、ポリジュース薬で魔法省に入り込みます。ロンの変装した職員は奥さんがマグル出身の魔女のようで、魔法省での立場もあまり影響力のない者のようです。ロンはその変装した職員になりきってしまい、「奥さんが捕まった」とかハリーを実際に見たことを「子どもたちに話してやろう」といい、最後には「国外へ子どもと一緒に逃げろ」「あとでまた落ち合おう」とまで言い出します。ポリジュース薬には変身したい人と同じ姿になる効果はあるものの、本人になりきる効果はなかったように思えますが、ロンらしい反応なのかもしれません。

ロケットを交代で持つようになってからは、ハリーとハーマイオニーに嫉妬しています。夜二人で歩いていたり、水を分け合う二人の仲を疑い出します。グリフィンドールの剣をハリーに遺したのは、分霊箱を破壊するのに必要だったからという話を二人でしていた時、ロンは二人が自分をのけ者にしていると確信したようです。まったくの誤解だったのですが、ロケットの影響で疑心暗鬼になっていたのでしょう。

ロケットの呪縛から解け、「灯消しライター」を使ってハリーのもとへ戻ったときは、妙にハイテンションになっています。ハーマイオニーにとっても責められて、どうにか機嫌を直してもらおうと一生懸命です。しかしまだロンに優しく接することができないハーマイオニーはロンがいくら機嫌をとるようなことを言っても、冷たい視線をおくっていました。

ダンブルドアの遺品

ダンブルドアはハリーたち3人に遺品を遺します。ロンには「灯消しライター」を、ハーマイオニーには「吟遊詩人ビードルの物語」、ハリーには「金のスニッチ」と「グリフィンドールの剣」を遺しました。

この遺品たちのなかで注目すべきは「吟遊詩人ビードルの物語」です。そこには「ニワトコの杖」のことが書かれていて、「杖の持ち主を殺したとき、杖の持ち主がかわる」と書かれていました。これはニワトコの杖だけに限らず魔法使いの杖であればすべて当てはまるようです。オリバンダーは杖が魔法使いを選ぶと言っていましたが、魔法界で一番強い杖が魔法界で一番強い魔法使いを探して持ち主を変えていくことは自然なことだといえるでしょう。ハリーもゴドリックの谷のあと杖が折れてしまいます。ロンに杖をもらいますが、杖がハリーのことを持ち主だと認めていないため、呪文がうまく制御できません。渡しただけでは持ち主は変わらないようで、ハリーがハーマイオニーから杖を借りていても、ハーマイオニーの杖が持ち主を変えなかったのはそのためです。この杖の持ち主の移行については、「謎のプリンス」からつづく「死の秘宝 PARTⅡ」の伏線となっています。

ハーマイオニーは「吟遊詩人ビードルの物語」を、ホグワーツの図書館にあったダンブルドアのメモを参考に訳し、一冊の本としています。その本は市販されていて、ハーマイオニーとダンブルドアの解説付きで物語を読むことができます。

禁句となった「ヴォルデモート」

ヴォルデモート軍はダンブルドアを支持する反ヴォルデモート軍を見つけ出すため、「ヴォルデモート」を禁句にしました。禁句を口にすると保護呪文が破れ、口にしたものの居場所がヴォルデモート軍にわかるようになっていました。17歳の誕生日を終えたはずのハリーたちが、シャフツベリー通りでデス・イーターたちに居場所が分かったのは、ハーマイオニーが「ヴォルデモート」という禁句を口にしたしまったからです。ロンは偶然にも隠れ穴から一人旅立とうとしたハリーと話をしたときには、ヴォルデモートのことを「あいつ」と呼んでいます。恐るべき危機回避能力といえるでしょう。

ハリーに味方した記事を掲載しているとして、ルーナを人質に取られたラブグッド氏はハリーの訪問に最後の望みをかけます。そして禁句である「ヴォルデモート」を口にします。ロンは姿くらましをした後、ラブグッド氏を裏切者呼ばわりしますが、場面からもハリーはラブグッド氏にわざとこの禁句を口にさせたのでしょう。本ではラブグッド氏はたびたびハリーが現れたと嘘をついては、ルーナを返してもらおうとしていたようです。今回も嘘だと思われてしまわないように、ヴォルデモートの軍がラブグッド家についてから、姿くらましをしましたが、デス・イーターたちに姿を見られるところまでは描かれていませんでした。

余談ですが・・・

グリモールド・プレイスから分霊箱であるペンダントを持ち出したマンダンガス・フレッチャーですが、ハリーの命令でクリーチャーと偶然ダイアゴン横町に居合わせたドビーによって屋敷に連れてこられます。ハリーにペンダントを持ち出したことを責められている間、クリーチャーはぶつぶつ言いながら地味に杖で足を突いています。何を言っているのかは相変わらずわかりませんが、大事なブラック家からものを持ち出したことに対しての攻撃だったのでしょう。

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