鹿男あをによしー奈良より愛を込めて - 鹿男あをによしの感想

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鹿男あをによし

4.504.50
映像
5.00
脚本
4.50
キャスト
5.00
音楽
5.00
演出
5.00
感想数
1
観た人
2

鹿男あをによしー奈良より愛を込めて

4.54.5
映像
5.0
脚本
4.5
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
5.0

歴史が大好きな人間にとって、こんなに面白く、楽しく、そしてワクワクする作品を民放ドラマで見ることが出来たのが衝撃的でした。奈良の美しい風景、鹿との不思議且つ面白いやりとり、それを取り巻く人間模様。登場人物たちすべてが魅力的で、本当に調和のとれた素晴らしい作品です。

まず素晴らしいと思ったのが、タイトルの『鹿男あをによし』です。「あをによし」とは奈良の枕詞で、そして奈良といえば「鹿」ですよね。このタイトルだけで、奈良が持つ匂い立つような、古代から受け継がれる美しさが表現されていると思います。そしてオープニングで大きく映し出される鹿の顔。そしてエンディングで登場する、走りくる可愛い鹿たちの群れ。鹿は古代より神の使いと言われていますが、この鹿たちの映像は本当に神々しく、改めてその意味を再認識しました。

 そして何より素晴らしいのが、そのストーリー構成です。60年に一度行われる「鎮めの儀式」を通じて、玉木宏演じる小川先生が鹿やさまざまな人との交流を通して人生を変えていく、というストーリーなのですが、一つの物語の中に、先生の人生の変化、生徒たちの成長、恋愛ドラマ、人間の闇などさまざななテーマをちりばめつつ、それを卑弥呼の時代から伝わる歴史テーマを大きな軸として展開させる、という一見複雑な構成なのですが、これが見事に調和してうまくまとまっているのです。そのうえ所々にギャグもちりばめていて、見てて飽きない。これは脚本の素晴らしさと、個性的な役者さんたちの演技の上手さが調和を生み出したのだと思います。

惜しむらくは、鎮めの儀式が案外あっけなく終わってしまったことが残念でした。あれだけ大騒ぎして三角縁神獣鏡を取り戻したのだから、もっと荘厳な儀式を期待してただけに少しがっかりでした。

しかし、全体的には100点に近い作品です。何回も見直したくなる、優しい気持ちになれるドラマです!
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