美しい風景
昭和30年の山口県の田舎町。マイマイ(つむじ)が前頭にある少女新子は家族と暮らしていた。新子はおじいちゃんが話してくれる、昔話が好きだった。空想ばかりしている新子には家の前に広がる麦畑には、千年前の街が広がって見える。千年前にいたかもしれない女の子やその生活。そんなことを空想しながら、のびのびと育ってきた。
都会から引越してきたのは、引っ込み思案の少女のきい子。
きい子には父親しかおらず、昔母を亡くしている。家に帰っても一人ぼっちだった。そんなきい子と新子は仲良くなる。2人と数人の仲間達は、小さなダムを作り、そこで金魚を飼い始める。ダムの中にはみんなのお気に入りの宝物などを入れるが、きい子の母親の香水瓶の蓋が空いていることに気付かず、金魚が死んでしまう。そんな中、仲間のタツヒコの父親が自殺してしまうのだ。タツヒコは父親の名誉を守るために、街のならず者たちのところへ新子と2人向かうのです。
昭和ならではのちょっぴりせつないエピソードや子供たちの気持ちの成長なども描かれています。親の都合による友達との別れや先生との別れ。どうしようもなくても、子供たちは必死で現在を生きていくのです。
作画はとても美しいです。見た事のない千年前の景色と人々が生き生きと描かれていました。
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