男は優しくなければ…。 - いつもふたりでの感想

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いつもふたりで

4.004.00
映像
4.00
脚本
4.00
キャスト
5.00
音楽
3.50
演出
4.00
感想数
1
観た人
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男は優しくなければ…。

4.04.0
映像
4.0
脚本
4.0
キャスト
5.0
音楽
3.5
演出
4.0

目次

優柔不断な男は最低だ!

森永健太ははっきりしない優柔不断男、仕事ができる女(谷町瑞穂)にとってはとってもイライラさせる奴だ。そのうえ超鈍感男でもある。年頃を過ぎた女は基本、なんとも思ってない男と理由もなく一緒にいたりしない。仕事がらみでもなく、親戚がらみでもなく、友人に頼まれたのでもないのに一緒にいる時点で、「こいつはひょっとしたら…。」の可能性に思い居たらなければならないはず。自分の意見をちゃんと言えない奴のどこがよかったのか?事を思い通りに運びやすかったのか?瑞穂さん。

人生は楽しくない!

しかし、谷町瑞穂の人生もなかなか大変だ。当事者にとって大変ではない人生がないのも道理ではあるが、なまじ、新人文学賞などをとってしまったばっかりに人からも自分からも期待をかけられ、それに応えられない自分を不甲斐なく思いの繰り返し。結局自分にはやっぱり才能がないのだという結論に結びつくまでの葛藤は苦しいものであったことは想像に難くない。が、しかしやりたいことがあり、だめになってもちゃんと次にすすむことができるのは明るい所を歩いていける強い人間である証拠。つらい人生も楽しく歩くために努力ができる人なのだ。

友達同士の距離感はむずかしい。

幼なじみで、友達でいると、恋人になるのはなかなか難しい。相手が鈍感だとさらに難しい。思春期には素直になれず、そのまま大人になっても素直になれず、気持ちを告白してダメだったときには元の友達には戻れないかもしれない、だったらずっとこのままの方が幸せだ。との想いからなかなか踏み切れないのだと思う。けれど、好きなのに友達のままでいることも辛い。その点、自分の気持ちを告白できた瑞穂はいさぎいいし男前だ。

けれど、恋人同士になったらなったで、こっぱずかしくてなかなかあま~い雰囲気にはなれないものだけれどね。二人の距離感は実は恋人になってからの方が難しいのかもしれない。今までの強がりで通すと気持ちは楽だけれど、恋人の雰囲気になれなくて寂しい。甘える感じは自分には合わない。てか自分じゃないような気がするけれど、相手には喜んでもらえていい雰囲気に持ち込める。この相反する二つの顔を使いこなすスキルが必要だ。

優しい男は最強だ!

基本男は子供だ。私は子供でない男に会ったことがない。 男には女の気持ちはわからない。女の気持ちを想像する力を持っていないんだと思う。理想は器が大きく、女の気持ちに聡く、相手を思いやれる男の人。だが、ほとんどの場合は器はそう大きくなく、女の気持ちに疎く、自分のことでいっぱいいっぱいなのである。女も理想の相手などいないことに気がつくべきだ。そして大切なのは理想の相手がいないならどこで男を判断するか?ではないだろうか?

判断の基準は私は「優しさ」だと思う。でも、優しさって何だろう。それは、相手の立場になってみるということ。相手の立場になったらどんな感じなのかを想像する努力をすることだと思う。これができる男は最強だ。

森永健太にはこれができるんじゃないかな?彼は優しい男だ。瑞穂もココに惹かれたのだと思う。優しいから子供の頃から瑞穂に振り回されてきたのだ。優柔不断や弱さと優しさは紙一重、ときどき同じもののように思える。女は「弱さ」には惹かれない。「強さ」に惹かれてしまう。けれど「強さ」は「強引さ」や「むりやり」につながりがちだ。そして強引な強さを主張する人は本当は弱かったりするのだ。本当は、「強く優しい。」のがいいのだが、そんな人は稀有な存在。S系上司に強引に迫られ優しくされるシチュエーションに世の中の女が弱いのはそういった理由だ。けれど、コレは夢のまた夢、弱さの中にある本当の優しさをうまくピックアップすることのほうが現実的だ。

社長の奥田直之も優しい男だとは思う。けれど、それは彼が冷静で余裕があるから…。恋に落ちてないからでもある。「余裕がないときにも優しくできる」それは男としての最強スキルだ。

やっぱり最後は組み合わせだ。

どんなに優しく理想的な男がやってきても、好きになるとは限らない。理想の相手と好きになる相手は違うのだ。そして、自分自身も理想の女とは程遠く、結局は割れ鍋になんとやら…。好きになってしまったら仕方がないと運命に身をゆだねてしまう。時間が経って後悔しても仕方ない。人生の岐路に道を選んできたのは自分自身だから…。

「いつもふたりで」では、幸いなことに、可愛くないけど強くたくましい女と弱いかもしれないけど優しい男が幸せな組み合わせに落ち着くことができた。うらやましいことだ。うらやましい状況にならなければドラマにならないのだけれど…。けれどハッピーエンドで幸せな二人の今後はわからない。願わくば、けんかしたりしながら楽しい人生が歩めればいいのだけれど。人生は終わってみないとわからない。でも、優しい健太が強い瑞穂をなだめながらいい人生が送れるようなそんな予感がしてしまうのだ。

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