堂上教官の感情の描き方。 - 図書館戦争 LOVE&WARの感想

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図書館戦争 LOVE&WAR

4.384.38
画力
4.38
ストーリー
4.57
キャラクター
4.38
設定
4.45
演出
4.75
感想数
4
読んだ人
6

堂上教官の感情の描き方。

5.05.0
画力
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
設定
5.0
演出
5.0

能力系や学園モノなど実際に有り得ない世界観はよくあるが、本を狩られるというストーリーは初めてだったので作者の世界観に引き込まれるのには時間がかかった。

それでも読むのを止めなかったのは、恋愛観もまた今どき珍しい表現をしていたから。

私が読んだことある中では感情の移り変わりを言葉にして表現されているものが多く、(あいつの事が気になるとかドキドキするのは好きなのかもしれないとか)恋愛の展開も先が見え、似たりよったりの作品が多かったが、堂上教官の感情の描き方がほとんど態度で現されており、読み手の想像をふくらませる表現だった。

郁が稲見司令官と一緒に拉致されたと聞かされた時の表情や郁が泣きたい時に部屋から出て外にいるところを理由つけて追いかけたり、痴漢の囮作戦で痴漢に足を触られたと聞かされた時の表情と握りこぶしを描いた表現法、何かと気にかけ気付き頭を撫でて激励し、時にはひっぱたいて郁の感情の高ぶりをとめたり、冷静かつ護りたい気持ちが言葉ではなく態度で描かれているので引き込まれた。

どんな気持ちで戦いの中で傷ついていく郁をみているのだろう。

どんな気持ちで叱るのだろう。

どんな気持ちで見守るのだろう。

どんな気持ちで感情を抑えているのだろう。

郁と同じくらい真っ直ぐな態度を言葉に変えて知りたくなった。

堂上教官が足を打たれて入院中、郁がようやく面会に行った時、遅いと怒り、気持ちを伝えた後に取り乱した郁にキスをして気持ちの返事をした所も堂上教官の性格が表現されていた。

言葉数が少ない分、読者の感性(妄想)をふくらませるのにとてもいい内容である。

上記とは別にレインツリーの本のことで小牧教官が査問会から自白を迫られてる時、まりえちゃんが言った言葉。

わざわざ差別を探し出して騒ぎ立て、差別が大好きなのはあなたたちの方

これは、学校や職場、家庭でも日常に起こっていることで、とても意味のある言葉だと思う。

正義と思っていることが本当に正しい事なのか、相手を理解し(知っているということは誰でも出来るが理解できる人はほとんどいないだろう)知識を得て発言、行動しなければ正義を振りがざした偽善になるのではなかろうか。

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他のレビュアーの感想・評価

ピュアな恋愛

図書館戦争はタイトルのとおり図書をめぐって主に図書隊と良化隊の戦いになります。それだけでなく、図書隊のメインキャラたちの恋愛も描かれています。個人的に郁と堂上教官の恋が1番好きです。両想いだけど両方が隠そうとしている姿を見てキュンキュンしています。もちろん、小牧教官と毬江ちゃん、手塚と柴崎の恋もキュンキュンします。戦いの間のシリアスな状況でも、みんな常に好きな人のことが頭の中にあって、本当に好きなんだなあということがよく伝わってきます。初めは郁が図書隊に入ってきてしまったのは自分のせいだと堂上教官は郁に対して人一倍厳しくしてきましたが、郁の図書隊への気持ちを聞いて堂上教官の優しさが表面に表れてきました。まあ、最初から優しさの溢れる人だとは分かったけど、それを堂上教官は表現するのが苦手なんでしょうね。郁に対しての優しさが他の人とは違って恋愛も入っているのでますます2人の応援をしたくなります...この感想を読む

4.54.5
  • おむらいすおむらいす
  • 85view
  • 539文字

図書館戦争 LOVE&WAR

もともとは、有川浩さんの書いた原作の大ファンだったことがこの漫画を手にしたきっかけでした。当初は少女マンガだし、原作至上主義の私としては満足できないだろうと思い込み、購入をためらっていましたが、偶然ブックオフで見かけて、手に取ってみて、考えを改めました。それまでの私は、こうした原作者以外の人が同じ作品について書いたものは、原作の世界観を壊してしまったり、キャラクターが独り歩きしてしまっているように感じることが多かったのですが、こちらの作品は原作の細かな設定や、登場人物の心の機微、文字だけではなかなか読み取れないような部分まで丁寧に描きこまれていて、作者、弓きいろさんの原作への尊敬と愛情をとても感じられる作品だと思います。「図書館戦争」という作品自体が、大ヒットした原作を始め、アニメや実写映画にもなるほどの人気でファンも大勢いますが、そのほとんどの人が好感をもって読むことができるのではな...この感想を読む

4.04.0
  • sayonekosayoneko
  • 68view
  • 567文字

図書館戦争

『図書館戦争』というタイトルだったので戦闘が多いのかなと思いましたが、意外にもラブコメだったことにびっくりしました! でも恋愛だけではなく仲間との絆や個々の成長、笑いがあるのに感動するとても引き込まれる作品でした。特に 「図書館の自由が侵される時、                我々は団結して、あくまで自由を守る」という1巻に書かれている言葉は衝撃をうけまし た。これは作者 有川浩さんがこの作品を作った きっかけとなった図書館の自由に関する宣言に加えられている1文です。なんで有川 浩さんはなんでこの文をたしたのだろうと疑問に思いました。                                 この作品の背景となっている世界は『メディア良化法』が設立され厳しい検閲を断行されている“  本が狩られる時代  ”です。そんな中唯一対抗できる機関が『 図書館 』なんです。その2つの機関が戦争をしている所も描か...この感想を読む

4.04.0
  • カモミールカモミール
  • 57view
  • 589文字

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