忍者とは恋も自由にできないのか - かえで台風の感想

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かえで台風

2.502.50
画力
3.00
ストーリー
2.50
キャラクター
3.00
設定
2.50
演出
2.00
感想数
1
読んだ人
1

忍者とは恋も自由にできないのか

2.52.5
画力
3.0
ストーリー
2.5
キャラクター
3.0
設定
2.5
演出
2.0

目次

なぜ少女漫画向けなのだろう?

「かえで台風」まさしく文字とおりの台風娘。高橋留美子さんのような漫画だと感じました。ドタバタな動きのある漫画です。なぜぶ~けに連載されていたんだろうと、不思議に思うくらいの少年漫画的な感じがします。格闘技、しかも忍者、露出多しなのです。かえではとてもかわいいと思えるくらいの美少女の設定ですし、ビジュアル系の美男子がくると、少女漫画的設定といえるかもしれませんが、ドタバタな元気のいい漫画なので少年漫画の方がよかったのでは?と本当に思います。最初に読んだときにあれ?マーガレットコミックスだったよね?と表紙を一回見返してしまいました。確認をしてもう一度漫画。途中であれ?少年?とまた表紙を見てしまうほどでした。この設定では女性は飛びつかないかもしれません。3回の連載で終わってしまったのが残念です。

まさしく台風娘、しかし彼女の身の上には同情しちゃうかも

自分より強い男を婿にもらう。そんなしきたりがある忍者の家系に育ったかえで。家出をして自分より強い男探しが始まる。忍者の里には、自分よりも強い男がいないという設定です。バーガー、コーラが初体験。ハンバーガー、レトルトカレーに感動して、コーラで毒を盛られたと騒ぐ。ユースケは、正反対の男子。困った人を見ると助けずにいられない。ぼこぼこにされても殴り返さない。ある意味、強い男をかえでは選んじゃったと思います。蓮也さん、顔が見えませんが、かえでの婿として強いと噂の男。その手下たちが次々にかえでのところにやってくる。まさしく台風の目となったかえで、ユースケの周りは一気に騒がしくなります。ユースケのすごいところは、かえでのためになんとか強くなろうとするその心がすごくいいです。想像ですが、幼少の頃より、忍者としての修行を積んできたかえで、そのかえでよりも強くなるというのはちょっと無理な気がします。それでもやろうとするユースケの心構えにすごいものを感じます。婿は三郎でいいじゃん。ビジュアル系な男前の人なのに、なぜかかえでは見向きもしない。蓮也さんの手下の時雨もいい男。時雨は蓮也さん好きなので、対象外なのです。かえでの場合、年少から一緒に暮らしていると、家族みたいな存在になってきていて、恋愛感情とか育たなかったのかもしれないですね。それより仲間という意識の方が強かったのかな。忍者として、ここまで強くなるためには、三郎たちと一緒に厳しい修行にも耐え忍んでいた姿が見えます。この中からしか男性を選べないとなると、狭い忍者の里という空間のなか、しかも父親の選んだ相手と一緒になる。誰だって反抗したくなるかもしれません。一回でいいから、家を飛び出したくなるかもしれません。それで家出に行きつき、でも、かえでの頭のなかでは、忍者の里以外で暮らしていくのは難しいのかもしれないというのがどこかでわかっている。だから、里から下りてきて、今しか自由な時間がないこともわかっているのかもしれません。父に反抗はしてみたけど、後継ぎだということは重々承知のようだったので、責任感が強いのかなということも感じました。

ユースケから見たかえでのいいところ、かえでを夢中にさせるユースケの魅力

かえでは、ブラジャーを知らないので、堂々と人に見せたりもする。恥ずかしさを知らないのかなというほど、大胆!もし、こんな場面に出くわしたら、大抵の男性は、この場面で三郎と一緒に鼻血がでちゃうでしょと思うほど大胆なシーンです。そこにユースケがいないというのもいいです。かえでは一番にユースケに見てもらいたかったのでしょうが、見せたかった相手ではなく、見せなくてもいい相手に見せちゃった。それがちょっとお茶目な感じです。「これで帯が切れても安心・・・」とかえでは言っていますが、いや仮に帯が切れてしまったとしたら、裸よりもよりセクシーな感じでエッチなんですけどと突っ込みをいれたくなります。戦う相手が三郎だったら、すぐに悩殺されてしまいます。時雨だったら、蓮也さんひと筋な男なので、平気な感じで戦い続けそうですが、大抵の男性忍者なら悩殺間違いなしです。ユースケもかえでのそのかわいさと、その大胆さにノックアウトされた!とは思いたくないので、ここにはユースケはいなくて正解です。寝ないでユースケの様子を見ていてくれたかえで、ノックアウトされたユースケを担いで家まで送ろうとしてくれた姿にユースケはいいなと思ったのではないでしょうか。女の子の普通の姿をいいなと感じてくれる男。それがユースケです。

でも、その後のシーンがいいのです。三郎が「ユースケどののおかげで、コンタクトが買えたんです。昼間、私のバイト先に来てくれて、自分にも責任があるからと言って2万円くれたんですよ。だから、お礼を・・・って思っていたんですが」と言ってケーキをこっそり手に持っています。恋敵だったはずだよね。かえでがユースケを選んだとわかって勝負を挑み、三郎は、自分でコンタクトレンズを落っことした。結局ユースケが勝利してしまったのです。それでも自分にも責任があると言うところが好青年ですね。そんなユースケだからこそ、かえでも好きになったのだなと言うことがわかります。みんなに優しくしちゃうユースケだからこそのなせる技です。昨日の敵も今日の味方にしちゃう。それがユースケの強みで魅力なのでしょう。

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