現実化にならなかったけれど、設定などがしっかりのパトレイバー
「機動警察パトレイバー」が連載されていた頃は、まだ2000年というものは、どうなっているんだろう、
大型ロボットが仕事をしているんじゃないかという想定の元で書かれた作品ではあるが、
今2000年を超えて2016年を迎えている現在、まだパトレイバーといった大型ロボットが
あらゆる作業を行ったり、犯罪があったりということはない。
でも、現在になって読み返してみると、メカニック設定は、かなりしっかりしているし、
登場人物の設定も「究極超人あ~る」と同様、個性派ぞろいで、面白い。
主人公の泉野明や篠原遊馬の二人のコンビの仲は、途中でバラバラになったりするが、
結果的に、最終話では実は遊馬が野明のことが「好き」というのが、
ちらっと見えて、女性読者としては、なんとなく嬉しい気分にもなった。
少年サンデーに掲載されていたので、高橋由美子作品は、そういう恋愛の部分の
描写もあるのだが、ゆうきまさみ作品で、恋愛部分の描写は少なかったので、
なんだか最終話は嬉しかった。
頬に傷がうっすらとついてしまった野明に「もらい手がいなかったら俺がもらってやる」という一言は、
どんだけ女性読者を興奮させたかと思う。
しかし、その陰で、やっぱり曲者で面白いキャラは二人。
後藤警部補と、敵の内海である。
二人とも飄々としていて、昼行燈ながら、考えていることは、先の先を読んでいて、
お互いの探り合いが読んでいて、ハラハラした。
いろんな話で、後藤警部補の判断力は、飄々としていながら、
絶対間違いがないというのが、「カミソリ後藤」と昔呼ばれたという
彼ならではである。
この作品は、漫画を飛び出して、映画になったり、OVAになったり、テレビシリーズに
なっているが、また、新たなる設定で、続編が描かれればと切望する作品である。
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