憎たらしいけど愛くるしい
この映画を観た時、テッドのかわいい見た目とオヤジのような性格のギャップに驚いた。
テディベアとは子供だけでなく大人も癒されるほどの魅力を持っている。以前のテッドもそうだった。
しかし、主人公ジョンが大人になるにつれてテッドにもオヤジ感が増してきた。酒と女が好きなテディベアなんて見たことないし、見たくもない!と初めは思った。
しかし物語が進むうちに、テッドの優しさや愛くるしさを感じるようになった。
ジョンの恋人ローリーからジョンはテッドか自分かどっちかを選べ、と選択を促されるが、テッドが自ら身を引き一人暮らし(ぬいぐるみの一人暮らしなんて変だが)をする。その時のテッドの顔が切ないのだ。ジョンやローリーの為にトボトボと家を出ていくテッドには、日頃のオヤジ臭さはなく、抱きしめてあげたいほど愛おしくなった。
物語の終盤ではテッドは誘拐されてしまうが、テッドが引きちぎられてしまうシーンは見ていられなかった。なんでこんな扱いをする人がいるのだろう、と思うと同時に、ジョンが子供の頃からテッドを大切にしてきたことは当たり前のことではなかったように感じた。
ジョンとローリーが徹夜をしてテッドを縫い上げて生き返るシーンを見て、どれほどホッとしたことか。
ぬいぐるみは子供の頃からそばにいるはずなのに、いつの間にか飽きてしまう。特に物質主義の世の中では次々と新しいものに乗り換える事が普通になってきている。物や人など愛する存在を大切にしましょうね、というメッセージを感じた。
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