チョコレートドーナツ
この、「チョコレートドーナツ」という可愛らしい題名からは想像できないほど、この映画の結末はショッキングだった。あんなに主人公カップルが命をかけて守ろうとした自閉症の少年マルコは親に捨てられ道端で死んでしまうわけだが、、、そんなショッキングな結末、観たくない!と思ってしまった。
主人公達の今までの努力は?そして何より純粋で明るいマルコの人生がとても短く寂しいものになってしまった、ということが悲しかったし、悔しかった。
最後、マルコの死を乗り越えつつ、主人公は歌手になるという夢を諦めずに、恋人に見守られながらステージで歌い続ける、というシーンがあるが、力強さの陰に、やはりマルコの死に対する悲しさ、暗さはぬぐいきれていないように思う。
主人公カップルは同性愛者なわけだが、そのせいでマルコを養育できない、とはなんという社会だ、と思った。育児放棄をしている母親よりも、ずっと二人の方がマルコに愛情を注ぎ、マルコの人生をサポートし、楽しませていたのに、裁判所はお堅いな!と思ってしまった。
マルコの好物はチョコレートドーナツ。主人公があまり食べすぎると体に悪いと心配しながらも、とても嬉しそうにマルコが頬張る姿にはとても癒された。主人公カップルには好物がわかっていたが、果たして実の母親はわかっていたのだろうか?自分の子供の好物さえ興味がないからわからなかったのではないかと思う。
マルコと主人公カップルが過ごした楽しい日々のシーンは良かったが、結末が結末だけに、すこしあとあじがわるかった。しかし、主人公を演じたアランカミングの演技や歌声は圧巻だった。
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