当時の恋愛を振り返って
中谷節子(松たか子)は、当時付き合っていた彼と半年後に結婚を控え、スチューワーデスの仕事も寿退社した。しかし、その相手が他の女のところに逃げたため、「恋と仕事を一遍に失ってしまう」こととなった。その反動で酒を飲みまくり、たばこも吸いまくり、パチンコで過ごす体たらくな状態になった。
広瀬光太郎(ユースケ・サンタマリア)は大手商社マンであり、独身で彼女はいなかった。ある日仕事先の部長から海外赴任の話をもちかけられた。その海外赴任の条件が、「妻帯者であること」だった。
そんな矢先に節子と光太郎がお見合いをすることになった。
お見合いをした二人が周りとは意に反して付き合い始めたが、意外にも互いに結ばれていくというラブコメディ。
初めは節子が「結婚したくない」という意思が強かった。元々、恋愛からの結婚を望んでいたから。
それは第3話において、熱が治った光太郎に節子が「自分の両親に結婚しないことを話して欲しい」といったところで感じるところである。
光太郎は、節子を見定めていたところがあったと思う。節子が結婚したくないことを悟って、
「あなた・・・、ボクと結婚するつもりは・・・、全くありません・・・よね?」
と発言した。
そこから、お互い別れるための準備をしていたにも関わらず、なぜか周りが「結婚間近」だと勘違いしているところがベタだが面白い。
節子と光太郎の結婚が決まってからも、節子の秘密(前の彼氏のこと)でいざこざが起こって、お互いの気持ちが引っ付きそうで引っ付かないもどかしさがあった。シンプルだが、恋愛にはよくあることで多くの視聴者が共感しただろう。
ドラマ後半に入っても、節子の恋愛気質は収まっていなかった。というよりは、誰でも感じることなのだろうか。
第8話において、節子が「あたしたち、お見合いだから、なんか盛り上がらないのかな」と発言した。盛り上がりがほしいという光太郎へのお願いだったがそれも届かなかった。
その後は、逆に節子が光太郎を追う立場になった。
光太郎が「結婚できない」と言い出したからだ。「一人前になるまでは結婚できない」。
光太郎は元々自分を過小評価する傾向にあった。まだ自分がささえるだけの力がないと思っていたのだろう。節子を支えるにふさわしい自分にならなければと。
その時の節子は「好きな人(光太郎)といっしょにいるだけで幸せ」な状態だった。
結局、1年間離れ離れになることに。
1年後、節子が他の人とお見合いをしているときに光太郎が現れて、結局二人は結ばれるのだが。
最後の2人のやりとりは、出会い方が重要ではなく、「出会って2人がどう過ごしたか」が重要だと言っていたかのようだった。じんわりと心に響くものでとてもよかった。
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