風夏
連載始ったばかりの作品に対してナンですが前々作「涼風」から瀬尾作品に 目を通していた人なら第1話を読んだだけで「駄目だコリャ」と思ったことでしょう。 ヒロインの風夏は主人公に対し自分のパンツを盗撮したと勝手に決めつけ 人の携帯をぶんどって地面に叩きつけた挙句に張り倒して罪悪感ゼロで去っていく。 そして、このDQN女を主人公の優は 「見た目はクールビューティー」 「バーを軽やかに越える立ち振る舞い」 「笑顔が可愛い」 で何となく許せてしまう…。清々しいまでに「涼風」の焼き直し。 優の家庭が本人以外は全員女という点も「涼風」でレディースマンションに男一人住んでいた大和と同じ。 よく、ここまで自分の引き出しのなさを平然と露呈できるものだと別の意味で感心してしまいます。 前作「君のいる町」の最終回と同時に始った本作。 どんなベテラン漫画家でも引き出しには限界があり週刊誌で5年以上の連載なら大方、出し尽くしている。 このため不充分なインターバル期間で次のヒット作を編集部側から要求されたりすると (作品の評価は別にしても)作者に同情する気持ちが湧いてくるのですが瀬尾氏だけは別ケース。 単に「涼風」では全開、「君町」では中盤に発病して以後は辛うじて抑えられていた 「ショートカットヒロインを愛でたい」病が再発動しているようにしか見えません。 作者はこの作品を描きたくて描きたくてしょうがないのでしょう。 しかし、そんな自己満足行為につきあわされるのは「涼風」だけで沢山。 (そもそも「涼風」も萌果の存在で辛うじて読んでいられた代物だったし) DQNショート賞賛の偏狭な価値観をワンパターン展開で押し付けてくる事が今から予想できるので評価は「最悪」で。
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