全てはここから始まった。
ジャングルの王者ターちゃんの初期の方。徳弘正也の作品が結構好きな身にとっては非常に意味のある作品である。この作品はまず設定が非常に面白い。ジャングルに住むどう見ても原住民で無いような顔立ちの、筋骨隆々な男が動物を守るために活躍する。といういかにもジャンプの読者に受けが良さそうな設定であるのだが、この設定の良さがジャングルの王者ターちゃんの人気に火をつけたと思う。一人一人のキャラクターが際立って良い持ち味を出しているのもこの作品の魅力と言える。大金持ちの息子のペドロ・カズマイヤーが修行のために努力をする様が、持ち前のギャグによって適度にごまかされ「くそまじめ」な雰囲気を良い感じに緩和してくれている。このおかげで今後の戦闘シーンやペドロ君の努力に対する感情移入が容易になっている。ここは徳弘正也の手腕が発揮されている点といえよう。さらに面白いのは筋肉の描きかただ。他作品の筋肉はどう考えても不自然なバランスになっていることが多く、見ていて違和感を感じることが多々あったのだが、この徳弘の作品の筋肉は総じて自然なのである。おそらく本人がしっかりと筋トレにのめり込み、ボディービルディングの知識を構築した結果なのだろう。筋肉に着目するというややもすると不自然な見方によって、新たな作品の面白さが際立ってくる。
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