本当の正義とは何か? - 真昼の決闘の感想

理解が深まる映画レビューサイト

映画レビュー数 5,784件

本当の正義とは何か?

4.54.5
映像
3.0
脚本
4.8
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
4.5

西部劇でよくあるのが、ネイティブアメリカ対白人という構図。まだまだネイティヴアメリカンに対する差別の根強い時代だったアメリカにはこのスタイルの西部劇が好まれました。保安官がガンをバンバン撃って敵(ネイティヴアメリカンとか)それが正義!そのような西部劇のイメージを打ち崩したのがこの映画です。長いものに巻かれ差別、裏切りを平気でするアメリカ人の実態に主人公ケイン(ゲイリークーパー)はがっかりします。本来は保安官を支持する立場にある住民も、自分の妻さえもケインの味方はしてくれません。本当の正義とは何なのか。なぜ彼は裏切られても戦うのか。そのはっきりした答えはこの映画の中にはない。だからこそ正義とは何かということを物凄く考えさせられる。最後のシーンで住民に喝采されるもケインは喜ぶこともなく町を後にする。顔は浮かない。その訳を考えて欲しい。

また、もう一つ面白い点が妻役のグレースケリーの心情の揺れ動きを表すシーンと女性が銃を持ち悪役を殺すシーンがあったことだ。これにより、女性に対しても1人の人間として扱っているのいうことがわかる。1度ケインのことを裏切り、電車に乗って町を離れようとするが、最後は踏みとどまる。ふみとどまり町に戻ってくるまでの揺れ動きを実に詳細に描いている。ガンを打ちまくるシーンももちろん長めにとってはあるのだがグレースケリーが戻ってくるまでの過程はこれでもかと詳細に描いている。今までの西部劇にはなかった女性の心情描写をすることで女性の人格にも目を向け出した。非常に革新的な西部劇であるといえる。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

関連するタグ

真昼の決闘が好きな人におすすめの映画

ページの先頭へ