命とはなんぞよやと問われるブラック・ジャック - ブラック・ジャックの感想

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ブラック・ジャック

5.005.00
画力
4.67
ストーリー
5.00
キャラクター
4.83
設定
4.67
演出
5.00
感想数
3
読んだ人
34

命とはなんぞよやと問われるブラック・ジャック

5.05.0
画力
4.0
ストーリー
5.0
キャラクター
4.5
設定
4.0
演出
5.0

手塚治虫作品の中では、作者自身の知識(大阪大学医学部卒業・医学博士号取得)を元に書かれている、代表作です。

最近「ヤングブラック・ジャック」という本や「ブラック・ジャックによろしく」とか、「ブラック・ジャック」の名前を

冠する漫画が発行されていますが、「ブラック・ジャック」の作品性が「命の大切さ」「医師というのは、命を助ける仕事の

はずなのに、どうして人は死んでいくんだ。医師とはなぜ必要なのか?」という問いかけがあり、そのオマージュとして、

「ヤングブラック・ジャック」などの作品が登場しています。

私は、医者ではなく、一般の主婦なので、作中に書かれている手術法はさっぱりわかりません。

しかし、私のかかりつけ医に「ブラック・ジャック」の話をしてみると、

「ブラック・ジャック」を医学部生なら一度は読んで、仲間内で今の医療技術なら、こういう技術があるはずだとか、

手塚治虫自身が間違えて覚えていることを、作中で紹介している個所などがあり、間違い探しと今の医療技術の

討論材料としてされています。

しかし、手塚治虫が学んだ知識は、その当時は最新のものであり、間違いであっても、もう故人なのですから、

訂正することは、不可能です。

ですので、こういう技術が、昔あったのだということを知るのには、いいのかもしれません。

しかし、手塚治虫作品全体に言えることでもありますが、

「人間であれ動物であれ、同じ価値があり、比べることはできない」

「命には限りがある」

「この世の中には、納得のいかない世界があり、その中で生きていくことが人生だ」

ということです。

ブラック・ジャックには、愛していた女性がいましたが、子宮がんの手術で

男として生きていく道を彼女は選びました。

ブラック・ジャックにとっては、キーパーソンの人物でもあります。

「愛した女性が、女性としての機能をなくして、男として生きていくこと。」

それは、ブラック・ジャック自身が受け入れにくい、考えでしょう。

でも、彼は、様々な境遇の人達や動物を救っていきます。

「そのものに与えられた命を、救う為」

その理念のもとに、彼は生きていきます。

この物語を通して、医師とはなにか、命とはなにかということを、改めて、考える作品と思います。

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不朽の名作と呼ぶべき作品

医者だからこそかけるリアルな描写このマンガを初めて読んだのは小学校3年か4年かその辺りの頃だった。従兄弟の部屋のマンガ棚で見つけたこれをなんの気なしに読んだのだけど、数々の奇病やリアルな手術の描写に若干トラウマ気味になった(その頃読んで怖かったのは体から葉っぱが生えてくるのとか、蛇のウロコのようなものに覆われる皮膚病とかで今でもそれをよく覚えている)。それから大人になった頃そのトラウマだった描写を思い出すと同時に、なにか知的好奇心をくすぐられるようなものも確かにあったことも思い出した。そしてまた集めだして読むことになった。初めて読んでから買い揃えるまでは25年以上は優にたっていたけど、古臭さもなく(もともとが私が生まれた頃発売されたものだから当たり前かもしれないが)動物や子供のポップな絵柄には逆に新鮮さを覚えたくらいだった。孤高の無免許医間黒男という名前を持つ天才的な腕をもちながらも無...この感想を読む

5.05.0
  • miyayokomiyayoko
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