ちょっと毒があるけど愛のある物語
日本とアメリカが戦争をしていた1940年に、こんなにクオリティの高いアニメがアニメで作られていたんだと思うと、やっぱりアメリカはエンターテイメントの国であり、規模が違うと実感させられる。ディズニーのアニメが、まさにそれを物語っていますがピノキオもその一つで、映像も音楽も全くと言っていいほど退屈しない楽しいアニメだった。
ピノキオはゼペットじいさんの願いによって命を与えられるものの、世間については全くと言っていいほど無知で、善悪の判断も出来ない。その純粋で無知であるがゆえに騙されたり利用させられたりする。そういう様子は本当に子供らしい姿なのだが、この映画はかわいらしい絵柄でありながら毒があって、恐い部分がある。ピノキオが嘘をつくと鼻がどんどん伸びていく、勉強嫌いで怠け者の子供たちは好き勝手にやっているとロバになって、ロバとして売り飛ばされてしまう。今となっては笑い話として済むのだが、最初観た時は子供心にロバになっちゃうんじゃないかと思って、本当に恐かった。ロバになりたくなかったし、本物のロバを見るのすら恐くなってしまった。クジラも恐かったし、サメを知るまではクジラが恐くて仕方がなかった。
最初は無知で純粋だったがゆえにその時を楽しんでいたピノキオ。だけどちゃんと成長して、勇敢だったなあと思う。何も知らなくて周囲を翻弄していたピノキオは嫌な子供だなあと思っていたけど、いざとなると自分の危険を顧みずに一途に家族を助けようとする姿は実に健気で立派な少年になっていた。ここまで他人の為に本気になれるのか。だからこそピノキオは傑作なんだと思う。- あなたも感想を書いてみませんか?
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