医療ドラマに必要なこと
このドラマは漫画が原作となっているが、ストーリーこそは準拠してるもののキャラクターの性格や心理描写が原作から大きくかけ離れたものとなっている。
これは主人公の五島役である吉岡秀隆の人を引き込む名演もそうだが、それより人の苦悩を中心に描いた脚本や演出を評価せざるを得ない
原作でも人間ドラマの方が中心だが医療のシーンになるとどうしても多くをオペに集中せざるを得ない状況が続き、それを忠実に映像に再現した場合どうしても多くをそこに注ぎ込まないといけなくなるのだろう。
ドラマではそこをかなり端折り、原作以上にキャラクター達の苦悩を大袈裟に描き切っている。
結果的に視聴者は感情移入しやすく、気が付いたら志木那島に住んでその一部始終を見ている錯覚にすらおちいるまでの世界観にとらわれているのである。
近年大ヒットした医療ドラマ「仁」も原作にないキャラクターの苦悩を付け足して、そこに感動を足し、原作と大きくかけ離れているのにも関わらず結果的に成功している。
医療が整ってない絶望な状況で名医である主人公が治療を行い無事成功しハッピーエンドというプロセスは確かに爽快だがそれ以前に人の命が関わっているのである。患者もロボットではなく1人の人間で生と死のはざまにいる状況での心理はとても想像できるものではない。
過去を背負ったままそれでも前を向き戦い生と死のはざまで葛藤する患者と対峙し成長していく姿を見て共感するものも少なくはないだろう。
生と死に一番近いからこそ人間味あふれるドラマがありそこに医療でどう戦うか、それが医者が主人公のドラマの魅力ではないだろうか。
その点を考えるとDrコトーというのはお手本ではないだろうか
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