「死の秘宝」につながる重要な変化が描かれた作品
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私はこの作品がハリーポッターのシリーズの中でもっとも大好きな作品で、一番見逃してはいけない作品だと思っています。この物語から一気に最後の「死の秘宝1,2」につながるいろいろなことがはじまっている場面があるということもあり、この作品を深く知ることで「死の秘宝」がより一層楽しめるようになっているからです。そこでこの作品からはじまる大きな3つの変化を紹介したいと思います。
マルフォイ家が「名家」から一気に転落した様子がわかりやすくみられるのはこの作品
今まで「魔法族の名門」として威張ってきたマルフォイ一家の地位の転落が顕著にみられるところも魅力の一つです。本の方ではマルフォイ一家は、分霊箱でもあったトム・リドルの日記を「フローリッシ・アンド・ブロッツ書店」でジニーの荷物に入れ、結果破壊されてしまうという失態を行ったところから転落をたどっていきますが、映画の方では予言の玉を壊してしまったことが要因になっているようですね。ともあれスリザリンで威張っていたドラコが、謎のプリンスではヴォルデモートの命令を遂行するためにハリーにかまっている余裕もなく、少々無様に走り回っているところが今までと大きく違っているところだと思います。ドラコの心情も物語の中で変わっていき、はじめは「魔法の授業なんかで無駄な時間を・・・」と今までの威張ったドラコが残っているところから、ダンブルドア暗殺の策略に次々と失敗し「僕の使命だ」スネイプに言いながらも使命に追い詰められ、最後にはダンブルドアに「あなたを殺さないと僕が殺されると」言ってしまうところなどふがいなさ全開になってしまいます。この作品以降のルシウスは病人のようで、地位を失うと男はこんなにもろいものなのかと思ってしまうほどです。その反対に気丈なのはナルシッサで、ドラコを守ることを一番に考え動きます。母は強といったところですね。
伏線がいっぱい詰まった作品、本と一緒に伏線を探すとより一層楽しめ何度見ても新しい発見が・・・
いろいろな伏線がつまっているのもこの作品の魅力です。ダンブルドアがはじめてトム・リドルを訪ねた時に、トムの部屋には分霊箱を探しにハリーとダンブルドアが行った海岸の写真があったり、「惚れ薬」をジニーとハーマイオニーがウィーズリーの店で見ているときに同じ店にロミルダ・ベインもいたり、と映像の中でもよく見ればというシーンが含まれています。「三本の箒」ではドラコの姿もちらっと映っていたりと、見れば見るほど気になって探したくなるシーンが増えていきます。この後の作品の伏線になっているところもあり、「杖」というキーワードでいうとオリバンダーの店が最初に襲われ、オリバンダーがさらわれるところや、ダンブルドアがスネイプに杖を取らせるのではなくドラコに取らせたところとか・・・。ただ少し残念なことに映画だけを見ている場合は、このひとつの作品の中で伏線を発見できてしまうシーンが多くなってしまうことです。シリーズの最大の魅力は、「なんでこの何気ないシーンをピックアップしたのだろう?」という疑問を前作で思い、「これにつながっていたからか!」と後で発見できるところだと思います。作者は本の中でそのような伏線を多数忍ばせていたので、映像ではそのシーンがなくあとでギュと詰まった形で出てきてしまっているところが、少しもったいなく思われました。
ハリーとジニー、ロンとハーマイオニーの関係に微妙な変化が生まれる作品
ハリーとジニー・ロンとハーマイオニーの関係に心の変化があらわれるのもこの作品の特徴。チョウ・チャンを好きだったハリーが一転この作品では最初からジニーを意識している姿が見られます。ウィーズリーの店で「惚れ薬」を見ていたジニーを、フレッドとジョージがディーンとのことでからかっている姿をみたときや、「三本の箒」でディーンと一緒にいるジニーを見た時の反応、目を赤くはらしながら食事会にジニーが遅れてきた時のハリーの反応といい、ジニーに対する気持ちがあからさまに出ていても行動が起こせないもどかしさがあります。そんなハリーを知ってか知らずか、気があるような態度をするジニーがとっても魅力的に映っています。ロンもジニーとディーンのことをハリーと話しながらハーマイオニーの肌のことを「きれい」と言ったり、ラベンダーとのキスを見て談話室から出て行ったハーマイオニーに無謀にも話しかけたりと、ハーマイオニーのことを意識しながらそんな自分を「どうかしてる」と否定してみたりと煮え切らない態度です。ハーマイオニーの方はロンとラベンダーに対し「妬いている」を通り越して「嫌悪感」を抱いていたりと、ロンに対する気持ちが前面に現れています。ハーマイオニーの「ちょっと吐き気が・・・」の言葉の中にロンに対するいろんな気持ちが集約されているようで、この作品の中で一番気に入っているセリフの一つです。
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