魔術師の憂鬱 - 魔術士オーフェン はぐれ旅 新装版の感想

理解が深まる小説レビューサイト

小説レビュー数 3,368件

魔術士オーフェン はぐれ旅 新装版

4.754.75
文章力
4.75
ストーリー
4.75
キャラクター
4.75
設定
4.75
演出
4.75
感想数
2
読んだ人
4

魔術師の憂鬱

5.05.0
文章力
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
設定
5.0
演出
5.0

この新装版5は原版であるところの「背約者」の上下巻を纏めたものです。 西部編、あるいは第一部のクライマックスであり最初から最後まで通してボリューム満点な内容となっています。 原版の上と下それぞれの表紙を見比べてみると、オーフェンの心境の差がよく分かると思います。 上ではクリーオウ、マジク、サルアの助力があり皆真剣に戦っているもののオーフェン一人どこか気弱な表情。一方下では満身創痍で倒れているアザリーを守るように立っているふてぶてしい表情のいつもらしい彼の姿です。 上の彼の姿は、やはりネイムを殺してしまったという罪の呵責のよるものです。一種の「魔術士の憂鬱」というべきものでありオーフェンは魔術士として生命線でもある魔術を使えなくなってしまいます。 キムラックの中枢に潜入していて強敵が待ち構える中でこれは致命的でもあり、またマジクの増長を招く一因ともなってしまっています。 そんなオーフェンに対して下でアザリーが罪の呵責で自らを苛んでいることを彼に指摘。苛むあまり魔術を使おうとすると無意識に自ら自殺するための構成を編んでしまっていたオーフェン。 しかしそれは魔術の本質と矛盾するため、結果彼は魔術を使えなくなってしまっていたのです。 義理とはいえ姉であるアザリーにもそんな彼の傷を癒してやることは出来ず…キリランシェロに戻ってしまっていた彼を「オーフェン」に戻したのはオーフェンの従来の姿を良く知る者たちでした。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

他のレビュアーの感想・評価

コミクロンがもし生きていたら?

コミクロンが死んだ理由「我が呼び声に応えよ獣」においてあっさりと殺されてしまったコミクロン。当時のオーフェンも「彼はコミクロンだったのか」で済ませてしまう始末でしたね。しかしこれは無理もないこと、だってこの巻が書かれたときはコミクロンの設定なんてほとんど無いも同然だったのですから。この時点では牙の塔時代のクラスメイトの一人でしかなく死ぬことで化け物と化したアザリー、というかチャイルドマンの恐怖を際立たせるだけの存在だったのです。哀れなコミクロン。プレオーフェンにおけるコミクロン人気ところがどっこいオーフェン自体の人気が出て、最初は一作完結のつもりだった作品の続編や無謀編が続けられていくなかでついにプレオーフェンにおいてコミクロンの出番がやってきましたね。まさかのおさげやキースもかくやという感じの奇行っぷりに私を含めた読者のハートをがっちりとつかんでくれました。彼のおかげでドーパミンやエ...この感想を読む

4.54.5
  • kurioukuriou
  • 1456view
  • 1462文字
PICKUP

関連するタグ

魔術士オーフェン はぐれ旅 新装版を読んだ人はこんな小説も読んでいます

魔術士オーフェン はぐれ旅 新装版が好きな人におすすめの小説

ページの先頭へ