魔術師の憂鬱 - 魔術士オーフェン はぐれ旅 新装版の感想

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魔術士オーフェン はぐれ旅 新装版

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魔術師の憂鬱

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この新装版5は原版であるところの「背約者」の上下巻を纏めたものです。 西部編、あるいは第一部のクライマックスであり最初から最後まで通してボリューム満点な内容となっています。 原版の上と下それぞれの表紙を見比べてみると、オーフェンの心境の差がよく分かると思います。 上ではクリーオウ、マジク、サルアの助力があり皆真剣に戦っているもののオーフェン一人どこか気弱な表情。一方下では満身創痍で倒れているアザリーを守るように立っているふてぶてしい表情のいつもらしい彼の姿です。 上の彼の姿は、やはりネイムを殺してしまったという罪の呵責のよるものです。一種の「魔術士の憂鬱」というべきものでありオーフェンは魔術士として生命線でもある魔術を使えなくなってしまいます。 キムラックの中枢に潜入していて強敵が待ち構える中でこれは致命的でもあり、またマジクの増長を招く一因ともなってしまっています。 そんなオーフェンに対して下でアザリーが罪の呵責で自らを苛んでいることを彼に指摘。苛むあまり魔術を使おうとすると無意識に自ら自殺するための構成を編んでしまっていたオーフェン。 しかしそれは魔術の本質と矛盾するため、結果彼は魔術を使えなくなってしまっていたのです。 義理とはいえ姉であるアザリーにもそんな彼の傷を癒してやることは出来ず…キリランシェロに戻ってしまっていた彼を「オーフェン」に戻したのはオーフェンの従来の姿を良く知る者たちでした。

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4.54.5
  • kurioukuriou
  • 1577view
  • 1462文字
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