大切なものを守るための戦い
終戦間際の日本海軍がドイツから手に入れた『ローレライ・システム』という新兵器を搭載した新型潜水艦を使い、原爆投下を阻止するために出撃するお話です。指揮官の絹見少佐は『腰ぬけ』と陰口をたたかれる、特攻攻撃反対者で、メンツにこだわらず撤退する戦法を取る人です。そんな彼が目にした『ローレライ・システム』の中枢は、ナチスにより特殊能力を開花された少女で、少佐は己の信念と任務の重大性で苦悩します。 さらに、原爆投下を阻止する任務だと思っていたが、新しい国を作るために古い体制を壊すことを目的とした大佐の陰謀の片棒を担がされていたことが明らかになります。クーデターが起こり、アメリカに『ローレライ』を引き渡し、原爆投下を待つことを強いられた時、寄せ集めだった乗組員たちは団結します。それは、艦内の式を取り戻した後、『命をかけて戦いに挑む』ことも『生きて大切なものを守る」ことも、同じくらい勇気のある行いだという少佐の考えのもと、離脱する者と原爆搭載機を阻止するために戦う者に別れた後も、決して崩れることはありません。逃げることを否定しない少佐の考え方は、とてもすごいことだと思います。 もちろん、戦争はどんな理由であれ、賛美されるべきではありません。それでも、戦うことが避けられないなら、『大切なものを守るため、自らの意志で戦い挑む』ことが大切だと伝えてくれるこの映画は、一見の価値ありです。 蛇足ですが、突然潜水艦の中に美少女が現れて戸惑う軍人たちの姿はなんだか微笑ましいです。そんな日常生活も手を抜かず描いているところも見どころかと思います。
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