代理ミュンヒハウゼン症候群の患者の25%が「ミュンヒハウゼン症候群」を罹患
もう「ストックホルム症候群」のように、あたりまえのようにサスペンスやホラーに題材として使われるようになった代理ミュンヒハウゼン症候群。 作中にもでてきましたが、「子供など誰かを傷つけ、その看病を懸命にやる姿を見せることで他人の関心を惹き、自己を満足させようとする精神疾患」です。 アメリカでは年間600~1000件もあるので、大変注目されている疾患です。 実はその患者の25%が「ミュンヒハウゼン症候群(自身を傷つけ、他人の関心を惹きつける精神疾患)」を患っていると指摘されています。 本作でなかなか面白いのは、この代理ミュンヒハウゼンを、あたかも母親が罹患しているかのようにストーリーが進んでいきますが、実は娘の美々子こそが罹患しており、その対象は妹だったという点です。 そして、そのことを知った母親は、喘息の発作がでた美々子を放置し、虐待されていた妹を病院に連れて行き、その間に美々子は死んでしまいました。 喘息もちの私としては、実に嫌なシーンですね。 そこからは死んだ美々子が、絶対流行らないであろう教育番組の不気味な曲に乗せて人を呪い殺したというわけさ。 みなさんがすっきりしてないのは、ラストシーンだと思いますが、とりあえず柴崎コウは自身がミュンヒハウゼン症候群の兆候があったし、そのことから美々子に憑かれやすかったんでしょうね。 そして、憑かれた柴崎コウは代理ミュンヒハウゼン症候群を発症し、堤真一に虐待をしては飴をあげ続けるのでしょう。 邦画ホラーでは「仄暗い水の底から」と並んで最高峰だと思います。
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