奇子の評価
奇子についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に漫画を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
奇子の感想
どうしたもんか、この作品 神と言われる人も失敗すると知る
手塚治虫「冬の時代」の終わりにあたる作品本作は1972年から約1半ビッグコミックに連載された。現在では漫画の神ともいわれる手塚治虫だが、この時期はいろいろなことに悩み苦しんでいたようである。まず漫画界をめぐる背景としてリアル路線の「劇画」や大人向けの人間ドラマをメインにした「青年誌」が台頭したため、それ以前の漫画の主流であった「奇想天外」「少年の夢」を題材とすることが多かった手塚は苦戦を強いられていた。さらに「鉄腕アトム」で一世を風靡したアニメ制作会社「虫プロダクション」も旬を過ぎたのか、この時期倒産している。これによって手塚本人も巨額の負債を抱えることになったらしい。また関係者からネタを奪われる騒動=いわゆる「W3事件」まで勃発し、これをきっかけとして講談社との付き合いが数年にわたって途切れるなど、あらゆる意味でストレスが多かったと思われる。このあたりのいきさつはweb上にたくさん流...この感想を読む