愛しても届かないの評価
愛しても届かないについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が3件掲載中です。
各項目の評価分布
愛しても届かないの感想
誰の心にも潜んでいるかもしれない。
女性の本能女性なら誰もが心の奥底に隠し持っているであろう嫉妬と執着が忠実に描かれている作品の一つだと思います。一生懸命働くことや一生懸命恋をする事、全てに対して最も人間らしく進撃に立ち向かう女性像は、ある意味、悪魔そのものだとも感じます。主人公 七々子に取り憑いた悪魔表向きは平然を装い笑顔を浮かべる彼女の真の裏側を、読者が一定の距離を保ちながら覗き見ているような感覚に陥ります。実際に体験した事のない出来事もどこかしら納得できてしまうと言うところが他の作品を含めても作者の強みであり魅力です。嫉妬に塗れ行き場を失った主人公 七々子の思いが、いつしか少しずつ形を変えていく様を作中で「時には自分さえも裏切ってしまう」行為と表現している辺りは特に、女性ならではの芯の強さを感じました。泥沼の中の美しさおそらく男性よりも女性の方が愛と恋の狭間を事細かく分解して線引きし決め事を作るのかもしれません。愛が...この感想を読む