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シャルル―アンリ・サンソン
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イノサンは、歴史ロマンを題材とした坂本眞一の日本の漫画作品である。週刊ヤングジャンプに2013年9号から2015年20号まで連載された。最終回においては、続編となる「イノサンRouge」の連載がグランドジャンプ2015年12号より開始との告知もなされた。 18世紀のパリが舞台。主人公のシャルル・アンリ・サンソンは、ムッシュドパリと呼ばれる死刑執行人を代々務めるサンソン家の四代目当主として生まれた。本作の出典は安達正勝の「死刑執行人サンソン」であり、実在の人物をモデルとした作品である。国王ルイ十六世の死刑も執行したシャルル・アンリ・サンソンの数奇な運命を軸とし、写実的な死刑執行シーンや、執行人の心理描写が緻密に描かれている。耽美なシャルル役を栗原類が演じたラジオドラマが、集英社ヴォイスコミックステーションサイトで配信された。第17回文化庁メディア芸術祭においては、審査委員会推薦作品にも選出された。
歴史で埋もれていた仕事中世ヨーロッパ・フランスの華やかな歴史を知っていても、この作品で取り上げられている「処刑人」という仕事について知っていた人は少ないのではないだろうか。処刑人という職業と一括りにいってしまうとその過酷な運命は、現代では想像しにくいかもしれない。当時、中世ヨーロッパのがちがちの階級社会では、農民が貴族になることが出来ないのと同じように産まれた血筋で階級がきまり、仕事も決まってしまうということを考えれば処刑人を職業とする一族に産まれてしまった者の過酷な運命に想像をはせることができるのではないだろうか。『イノサン』の主人公はその運命を一身に背負った立場にある。彼の名はシャルル・アンリ・サンソンであり、処刑人一家であるサンソン家の4代目当主と設定されている。奇しくもシャルルの産まれた時代は、ベルサイユ宮殿が一番栄華を誇った18世紀ヨーロッパ、ルイ15世から16世とマリーアントワネッ...この感想を読む
フランス革命の時代、実在した無垢なる処刑人の物語18世紀のフランス革命において、王侯貴族が次々と処刑されていった。フランス国王ルイ16世、フランス王妃マリー=アントワネットもその中の一人である。彼らの処刑には、断頭台(ギロチン)が使われたことはあまりにも有名であるが、断頭台はその恐ろしいイメージとは裏腹に、被告者に対する敬意と慈悲をもって、一瞬で苦痛を終わらせるための人道的な処刑法であることはあまり知られていない。人類の歴史において、そもそも処刑とは見世物(ショー)の一つであった。『イノサン』の舞台であるフランス・ヨーロッパはもちろん、日本においても同じである。石抱き、車裂き、牛裂き…聞くも恐ろしい刑罰の歴史が人類史には残されている。『イノサン』の主人公・シャルル=アンリ・サンソンは、実在した処刑人の名だ。国に命じられた処刑人の一族に生まれながら、死刑を無くすことに終生をかけた。前述の...この感想を読む
よみがな:しゃるるあんりさんそん 性別:男性 国籍:フランス 所属:ムッシュ・ド・パリ 性格:命を重んじる純粋な性格 特徴:実務経験を重ねるごとに苦悩しつつも粛々と職務を遂行するようになる。 物語上での目的:運命に苦悩する 外見:美麗な容貌の持ち主 過去:処刑人になるための修業として解剖をさせられるが、...
よみがな:まりーじょせふさんそん 性別:女性 国籍:フランス 所属:「プレヴォテ・ド・ロテル」 性格:勝ち気 特徴:幼いころから独自に解剖や処刑技術を学び、処刑人になることを希望していた 価値観:処刑を己の享楽のように捉え、罪人を弄ぶごとく刑を執行することもある 癖:口癖は「最悪」 職業:処刑人 容姿:金...
シャルル―アンリ・サンソン
ダミアンの八つ裂きの刑にあたり、ニコラが意図的に駄馬を用意したせいで刑が進まなくなってしまった。成す術がないシャルルの前に現れたのはまだ幼いマリー・ジョセフ。女が壇上に上がるとは言語道断だと激しく叫ぶマルトにシャルルが言った言葉。
シャルル―アンリ・サンソン
女でありながら神聖な壇上に上がったことで、祖母マルトから苛酷な折檻を受けるマリー。そこへシャルルが駆けつけ、マリーを救い出すが、手枷を外されたマリーはマルトを剃刀で斬りつける。我を忘れ怒り狂うマルトにシャルルが放った言葉。