タイトルからは想像できない優しさ
殺して終わりではないところ殺し屋の話と聞くと、殺し屋がいてターゲットがいて殺人をして終わりなイメージがあったが、この小説は殺すまでのプロセスはもちろん、実行後の殺し屋の心情が描かれてるのが良かった。特に好きな話は第3章のシュート・ミー。薬づけのシンガー椎名ゆかとシュウの心がラストで通い合ってて切なくなって泣けた。椎名ゆかはシュウの勤め先に出向いて、学生として最後の3日を過ごす。そのことをシュウへのメッセージと共にMDに吹き込んで送る、聞いたシュウはゆかのために海に骨灰を撒く。殺し屋の小説なのですが、殺すだけじゃないラストが良かった。優しい殺し屋殺し屋なので、もちろん殺人を犯すが、他人の要望に沿った人殺しをする優しさが良い。第5章スーサイドヒルでは、殺し屋である自分を雇ったはずなのにボケて殺人者だということが分からなくなるまで待ってくれという老人の要望をのむ。すぐに殺せば手間にもならないのに...この感想を読む
4.54.5
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