蛇にピアスの評価
蛇にピアスについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が8件掲載中です。
各項目の評価分布
蛇にピアスの感想
トラウマ作品
芥川賞受賞作品もはや映画の印象の方が強いという人の方が多いのではないかと思いますが、私はこの小説を初めて手にしたのが中学三年の時で、幼さもあってか衝撃的でした。リアルタイムでその作品の迫力に圧倒され、世界観に飲み込まれ、作者の金原さんは一体どういう人生を歩んだら、こんなに残忍な描写が書けるのか、好奇心の次に恐怖が生まれたのを覚えています。グロテスクで、アンダーグラウンドで、じっくりと読むことはできませんでした。ほとんど速読で、内容は理解しているのだけれど、なるべく感情移入しないように気をつけました。高校生ともなれば受け止める許容も身についているだろうから読んでも差し支えないと思いますが、私は今でもラストにかけての暴力シーンは、言葉の一つ一つを丁寧に読むことができません。現代の芥川賞らしい作品だな、と今ではすばる新人賞、芥川賞と受賞しただけのクオリティーを理解できるまでになりました。スル...この感想を読む