ジャージの二人のあらすじ/作品解説

空気感を楽しめる小説

父と息子（主人公・成人・既婚）が山荘で過ごすだけの物語。特に大きな出来事がある訳でもなく、淡々と進んで淡々と終わる。構成としては、「ジャージの二人」と「ジャージの三人」の二本立て。でもどちらも同じで章が分かれているだけのような感じ。ストーリーの大筋としてはそれだけなんだけど、雰囲気や空気感がとてもよくて。なんかこう、ほのぼのとかそういうのとも違って、とにかくとても日常っぽいのだ。こういう感覚、シーン、あるよなぁ・・・というような。一番好きなのは、小説を書こうとしている主人公に対して、父親が大島弓子さんの漫画を引き合いに出して、「セリフというのはかくあるべき」とアドバイスをするところ。それが本当に、いかにも大島弓子さんの漫画のセリフで、分かる分かる！ってなる。この本が気に入ったら、「ねたあとに」も読むべきだと思う。