これは王国のかぎの評価
これは王国のかぎの感想
せつない恋の物語
アラジンの魔法のランプの精のような存在に、突然なってしまったヒロインの奮闘記。荻原規子さんのファンタジー小説はほんとうにすごい。国内産のファンタジーで、ここまで面白い小説を書ける人ってそういないんじゃないだろうかと思う。ストーリーそのものも面白いのだけれど、一番は、ヒロインのご主人さまであるところのハールーンの格好良さ・人間的魅力。読みながら、ヒロインと一緒にどんどん彼に魅かれていった。追いかけて追いかけて、結局、ラストのようになってしまうのだが、それがもうめちゃくちゃせつなくて、現実世界に帰ってほしくなくて、帰りたくなかった。続編の「樹上のゆりかご」も併せて読むべし。