最後のひと葉の評価
最後のひと葉についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
最後のひと葉の感想
誰かのために生きるって幸せなこと
決して長い話でもないし、驚くようなどんでん返しがあるわけでもないし、奇想天外な展開があるわけでもないのに、忘れることのできない何かがあるお話です。若い画家が不治の病にかかり、ベッドわきの窓から外の壁にはっている蔦を眺めては、あの蔦の最後の一枚が落ちたら自分は死ぬだろうと言っています。事実、葉が散っていくごとに、容体は悪くなっていき、最後の1枚の葉が残されるだけとなります。そんな時に、よりによって嵐がやってきて、誰もが絶望的な気持ちで窓を開けると、そこにはなんと1枚の葉がしっかり残っているのです。それは実は、傑作を描くことができずどこか人生に投げやりだった老画家が、彼女のために嵐の中で描き上げたもので、彼はその時の無理がたたってなくなり、一方女性は生きる気力を取り戻します。それまで投げやりだった老人の思いやりが奇跡を起こし、老人は幸せそうに死んでいくのです。きっと奇跡は老人にも起きていた...この感想を読む