岸和田少年愚連隊の評価
岸和田少年愚連隊についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
岸和田少年愚連隊の感想
単なる不良モノではない、青春群像小説にして「怪獣モノ」のエッセンスをも含む、渾然一体とした魅力を秘めた一作
喧嘩小説である以上に本物感溢れる青春小説中場 利一氏の筆による本作は今なおたびたびメディアで言及されるロングセラーとしての地位を確立しているように思えます。映画版に出演したナィンティナインの二人が一線で活躍を続けていたりという部分はあるにせよ。常に誰かが書いてきた「不良物語」という一ジャンルの中でも、ここまで「息が長い」作品は珍しく、世代を超えてファンが多い作品だとも言えます。では何故、息が長いかという点ですが、シリーズを一通り読破した身としましては「本物感」がその理由の一つに挙げられるのではと思います。実話ベースの「チュンバ」やその仲間たちのいささか血なまぐさい青春群像劇なのですからリアル感があるのは自明ですが、不良一代記的な自伝作品は他にもたくさんあり、ただリアルなだけでは特筆すべき個性、とは言いにくい部分があります。しかし本作、というより「岸和田少年愚連隊」シリーズ全般に関して言...この感想を読む