白痴の評価
白痴についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
白痴の感想
戦時下に生きる男と白痴の女
グダグダと始まる物語です。キチガイの男に、輪をかけて騒々しいその母親、そして会話もろくに成立しない白痴の妻。伊沢は家に逃げ込んできた白痴の女を匿うことになりますが、就寝のシーンが何かおかしいです。女がすぐに布団から出てしまうのを、伊沢は自分に何かされると怯えているのだろうと思っていますが、女は伊沢が体に触れないために、自分を嫌っているからと言うのです。何だかかみ合いません。そんなグダグダ感も空襲のシーンになるとぐっと緊張感が増します。布団をかぶって2人で逃げるのですが、空襲後に疲れて眠ってしまった女を捨てていってもいいのにと葛藤する伊沢。普通の恋愛小説とは一線を画する、分かったような、分からないような、不思議な小説です。