ミステリの楽しさを凝縮した1冊
ミステリ入門?と見せて・・・7つの短編から構成されており、それぞれに「犯人あて」「倒叙ミステリ」「安楽椅子探偵」「バカミス」「??ミステリ」「SFミステリ」「日常の謎」と、ミステリの色々なジャンル名が副題としてつけられています。ネタバレしてしまいますと、第5話は「メタミステリ」です。一見、ミステリ入門者に見える構成ですが、そこはかなり微妙で、ミステリ、推理小説の初心者がこの分野に親しむ道しるべになるかどうかは何ともいえません。普通は「メタミステリ」「バカミス」はなど入れずに「トラベルミステリ」「警察小説」ぐらいが妥当でしょう。(本書はトリック名をジャンル名とは見なさない趣向のようです)ただし、ある程度ミステリを読み込んだ人は間違いなく楽しめる作りになっています。作者はどちらかというとホラー、SF畑の人ですが、決して否定的なパロディではなく、少し距離を置いた愛情をもってこの分野の魅力を描き出し...この感想を読む
5.05.0
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