錦の評価
錦の感想
これぞ明治の鬼才!
織物を生活服飾品から美術工芸品にまで押し上げた、明治大阪生まれの龍村平蔵の一生を描いた作品。本の表紙が美しかったので何気なく手に取ったのですが、その面白さに一気読み!一晩で読んでしまいました。何といっても凄いのは平蔵のその織物にかける情熱の物凄さ。旺盛な探究心と努力で次々と新しい織り型を発明していきます。が、すぐに模倣され信用していた仲間には裏切られ辛酸を舐めます。それでも負けずに遂には古代織物の修復まで手掛けるというその執念に脱帽です。織物に対して一切の妥協を許さないその姿勢に、それだけ打ち込めることができる対象があるなんて、と逆に一種の羨ましさを覚えます。初代から交流があった髙島屋で展覧会が開かれていたので行ってみました。実物の織物を見ると、益々龍村の凄さが伝わってきました。