タイムマシンの評価
タイムマシンについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
タイムマシンの感想
謎の怪奇紀行
おそらくSFの「タイムマシーン」物の最初となるであろうこの作品は、タイトルで子供向きと誤解してはなりません。当時のイギリスでは大人も夢中になって読んだのです。それだけの張り合いと面白さがある作品です。旅行家がタイムマシーンを発明し、未来や様々な世界に行き、そのたびに恐ろしい出来事を経験することとなります。その未来の旅行世界は、空想の産物であるはずなのにリアリティがあって、読んでいて恐怖を感じられるぐらいです。設定も納得いくものであってとても楽しめます。当時のイギリスの社会状況やウェルズの学問知識が反映されたとも言われていますが、その辺は冒頭の文明批評や社会主義に関する議論でもその片鱗がしのばれます。