残像のあらすじ・作品解説
残像は、1980年から1981年に「ヤングジャンプ」にて掲載された、SF漫画家・星野之宣による作品。 この作品は3篇に分かれた短編漫画となっており、月と金星そして火星が舞台。「美神曲」はダンテの神曲とシンクロさせたコンピューター反乱もので、気温400°を超え硫酸の雨が降り注ぐ金星に送りこまれたコンピューターが、原因不明の異常行動を起こす物語。「残像」は月面での隕石の至近距離での墜落の影響で妻を亡くした夫が、彼女の部屋から出てきた太古の地球の写真をもとに謎に挑む、夫婦の深く切ない愛を描いたストーリー。そして「世界樹」は、温暖で存在していたはずの大量の水が氷の世界に変わってしまった火星の謎と、地球上の生命の根源を解き明かそうとする話。科学的知識が作品に生かされる他、火山の大爆発、発熱潜水艦などのメカなども出てきて、スケールの大きい物語である。 1982年3月25日に単行本が発売され、さらに2000年5月20日にはこの3篇の他に「遠い呼び声」「海の牙」「暁の狩人」が追加され、メディアファクトリーより文庫化された。
