信玄の軍配者の評価
信玄の軍配者についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
信玄の軍配者の感想
決して諦めない男
悲惨な駿府時代富樫倫太郎の軍配者シリーズで、早雲の軍配者、謙信の軍配者を読んだ後に、最期に、この作品を読みました。これで完結です。テーマは、「決して諦めない」ことだと思いました。四郎佐は、齢が当時の高齢者である四十歳を過ぎても、どんなに自分が醜悪な顔になっても、体が不自由になっても、決して一流の軍配者になって乱世に、その名を高めようということを諦めていませんでした。正直に言って、前の二作の方が読み応えがありました。しかし、この作品にも、それなりの読み応えはありました。足利学校、建仁寺で学び、大きく羽ばたこうとする四郎佐ですが、駿府に帰ってきて、軍配者として活躍出来ると信じていたのに、結果は悲惨でした。本物の山本勘助の仇として、山本家の縁者の宍倉家から命を狙われ、今川家の重鎮である太原雪斎の知遇を得るも、今川家の当主である義元から、顔と体の醜態を嫌がられ、仕官することが叶いませんでした。...この感想を読む