Virginia/ヴァージニアの評価
Virginia/ヴァージニアについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
Virginia/ヴァージニアの感想
意図的な欠陥ホラー
主人公は凡庸な三流小説家で、冒頭は軽いノリで話が進むが、事件が発展していくにつれ、モノクロや暗い色調が多用され、ゴシックホラーのような装いを見せている。なんとその道の大家のエドガー・アラン・ポーが登場する。しかし映像全体に不気味な美しさが漂っているが、ホラーとしてはあまり怖くない。コッポラ監督の目的も純粋なホラー作品の制作ではなかったのではないか。重層的なメタフィクションの手法を用いて現実と虚構および夢幻の世界を入り乱れさせている。ラストはホラーを期待した人が面食らってがっかりするようなオチだが、ホラーを台無しにすることでスリラー映画というもの自体を批評的に見させようとする試みだったのではないかと思っている。