好きだ、の感想一覧
映画「好きだ、」についての感想が4件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
感情が真実になる。
『好きだ、』『好きだ、』という題名、特に読点がついているという言葉のニュアンスに惹かれた。最後のシーンでユウ(永作博美さん)が、「好きだ、」というセリフを言っているのだが、私の予想してる感じと違っていた。私が予想していたのは、お腹で支えられた声なおかつ明るいイメージだったが、ユウ(永作博美さん)は、考える間も無く口から言葉が出てしまったような言い方だった。だからといって、悪かったとは感じななかった。どうしてこういう言い方なのかが気になった。作り手が何を思ってこういう言い方にしたのかを聞きたい。この作品の紹介で、お互いに好きだけれど思いを伝えられない2人、という文章が書かれていた。物語の初めの方は高校生のユウとヨースケの時間が描かれている。ユウには姉がいて、私が思うにヨースケが好きなのは、ユウの姉としか思えない。だから、ユウの姉に次第にイライラしてきた。ヨースケがギターで弾いていたフレー...この感想を読む
忘れられないワンシーン。
とある雑誌の企画で、宮崎あおいさんが永作さん達の写真を撮ってた気がします。それぞれに見せる表情がまたよくて、それ以来「好きだ、」も気になる作品のひとつでした。少し特殊な撮影方法をとられた本作。監督による小さなたくらみの結実した映画です。特にキスシーンは、役者ふたりの演技を超えた、駆け引きの賜物の大きな存在のワンシーンとなっています。必見。大人になって再会したりの場面では、ああ、恋って年齢関係ないよね…って噛み締めました。新しく出会うわけではなかったからっていうのもあるんでしょうかね。衝撃すぎるラストも込みで、この二人の運命を見守ることができたのは、観る側としてもほんとあのキスシーンが核となってるように思います。
役者さんの組み合わせがツボ
映画を楽しむというよりは、切り取った世界を覗くという感覚。言葉で表せば、ゆるいとかほのぼのという言葉を使うのだろうけれど、イマイチぴったりとくる言葉が思い浮かばない。けれどそれでいいのかもしれない。もともと恋することを言葉で表すことなど下世話な話なのだから。この映画で驚くことは、17歳の二人と34歳の二人の役者の違和感のなさ。宮崎あおいさんが永作博美さん、瑛太さんが西島秀俊さん。この映画を見ていたら、あり得る組み合わせ。日常を切り取った映画だから、流れる雰囲気に身を任せるのが一番いい見方なのだろうけれど「制服」のシーンでは思わずニヤリとしてしまった。
独特の世界感と、すれ違う恋
とにかく、ゆっくーりとした何気ない日常が流れていく映画です。 多分、得意・不得意に分かれるのではないかなといった印象。 私も1回見た時は、正直あまりの間の長さに眠くなりました。が、かなり印象深く、記憶に刻まれました。1回目はなんとなく見てしまったので、2回目再チャレンジさせていただきました。 両思いなのにすれ違う恋愛模様や、お互い意識してしまってか、自分達の話はあまりせず、共通の話題に“姉”を出してしまう。そして、その“姉”の話ばかりしてしまうがゆえ、おかしな方向に恋が進んで行ってしまう。不器用に恋する高校時代の2人は、ある事件がきっかけで会わなくなり、17年後に再び再会する・・・といった展開。 やはり、石川寛 監督の長回しの撮影の仕方は、私はあまり得意ではなかったのですが、内容としてはとても楽しめました。 そして、キャストにも、台本はあたえず、キーワードだけ渡し、撮影するという独特のス...この感想を読む