リンダリンダリンダ、本当の「青春」
何よりも、青臭く。映画は画質の悪いビデオカメラの映像で幕を開ける。青みがかった映像、青臭いポエムを棒読みで読み上げる、可愛いとは言い難い女子校生…。あまりにも青臭い。この映画の最も大きな要素は、この「青さ」だ。リンダリンダリンダは、あえて分類するならば青春映画のジャンルに入る映画だろう。高校生の主人公、文化祭でのバンド演奏、恋模様…こうして要素を書き連ねると、青春映画ど真ん中の要素がたくさん詰まっている。それなのになぜか、この映画には他の青春映画にはあまり見られない雰囲気が漂っている。どこか怠いような、少し息苦しいような、閉塞的で冷めた雰囲気が。まさしくその空気感こそが、この映画のキーとなる「青さ」だ。「青春」は文字通り、青い春だ。「青い」春だ。ただの春ではない、青いのだ。多くの青春映画では、「春」の部分にフォーカスが置かれることがほとんどであるように思われる。恋愛ものの映画などは特に...この感想を読む
4.54.5
PICKUP