決まったからには、これでいくしかねえんだよ。世の中、思い通りになることのほうが少ねえんだよ。それがいやなら、一人で家で絵でも描いてろ!
岩田長一郎
理解が深まる映画レビューサイト
映画レビュー数 5,784件
みんなのいえの名言集です。現在16件が登録されています。
岩田長一郎
「自分の問題ですから」と言って妥協を許さないバーテンダーを見た柳沢は、その店を出ると、建築中の家に行き、2階のリビングの壁にペンキをぶちまけた。翌朝、長一郎は「いい色になったじゃん」と出てきた柳沢に「てめえが気に入ろうが気にいらねえが、それはどうだっていい。だがな」と言ったあと、こう言って、「邪魔する奴は出ていけ!二度と来るんじゃねえ!」と怒鳴って、彼を突き飛ばした。
柳沢英寿
新居を建てるにあたり、建築デザイナーの柳沢と大工の棟梁である長一郎の意見がことごとく対立する。そんな中、洗面所にあるタイルを使いたいと柳沢が長一郎にお願いする。一旦は断った長一郎であったが、それが竹割りという古いタイルであることに気付き、柳沢への考え方が変わる。レストランで長一郎は柳沢に「これだろ?」そのタイルを渡す。柳沢は長一郎に自分のデザインのポリシーを語る。
アフガニスタンの人々
どのような家にするかは、すべて設計から始まる。その場面で出てくるアフガニスタンの諺。
柳沢英寿
デザイナーの柳沢が作った設計図について、最初の打ち合わせが行われた。そこでアメリカのモダニズム建築を志向する柳沢に対し、日本の在来工法でしか家を建てられないと言い張る棟梁・長一郎が、大黒柱のあるなし、ドアを外開きか内開きにするかで激しく対立する。そして昼食中、柳沢に「現場を知って欲しい」と言う長一郎に「棟梁の方こそ建築様式の勉強をもっとされては?」と言い、こう付け加えて言い返した。
日本の人々
デザイナーの柳沢の書いた設計図に不満をいだく民子の父で大工の長一郎は、内密に馴染みの設計士の須賀に、彼なりの設計図を作らせる。デザイナーの柳沢と大工の棟梁の長一郎の間には、間取りを決める段階で大きな溝があった。その上、夫の直介の母が風水占いの話をもち出して、複雑なことになってきた。その場面で出てくる日本の古い言い伝え。
柳沢英寿
何かにつけ、柳沢の設計図に不満を言う長一郎でしたが、どうにかこうにか折り合いをつけ、現地に資材を運ぶ段階にたどりつきました。しかし、洋風建築なので寸法をインチでひいた柳沢の図面を見た長一郎は、「インチで家なんて作ったことはない。材木は全部、尺でとってんだ。それをインチに直して切ってたら手間がかかってしょうがない」と言い張ると、柳沢はこう反論した。
イタリアの人々
柳沢の図面が気に入らない長一郎は、内密に須賀の図面を、娘の民子と見て相談して欲しいと言って、夫の直介にもって帰らす。その図面を見た民子は怒って、長一郎に「勝手にすすめないで。言うこと聞けないなら、大工を変えるしかないの」と電話する。長一郎は落ち込む。一方、「インチで家は作れない」と言われ、柳沢はこの仕事への情熱を失っていた。そういう場面で出てきたイタリアの諺。
飯島直介
柳沢から連絡がなくなった。心配した直介は彼と話す。彼から「俺は職人である前にアーティストでいたい。その誇りだけは失いたくない。作者が自分の主義を曲げた瞬間に作品は作品でなくなる。棟梁にインチで家は作れないと言われたとき、俺の興味はゼロになった。俺も大人、引き受けたからには最後までやる。でも、アーティストとしてはもういい、単なる仕事としてやらせてもらう」と言われた直介は、怒ってこう言った。
日本のある大工の棟梁
地鎮祭も、上棟式も終わった。ただ、民子も柳沢も知らない間に、図面では6畳のはずの1階の和室が、棟梁の長一郎の独断で20畳になっていた。当惑する民子と柳沢。そして、ある日の現場、書斎の彩光デザインで「これを注文しろ」と言う柳沢と「完成期日に間に合わないから、できない」と言う長一郎。そうした場面の間に出てくるある棟梁の言葉。
岩田長一郎
ある日、書斎の照明カバーを、長一郎たちが3つのカバーの中から、どれにするか考えていたとき、立ち会っていた柳沢が「これを注文して下さい。書斎は渋くいきたいので」とカタログの中の一つを指した。それを見た長一郎は「できなえな。時間がないんだ。今から発注してたら間に合わない。今あるこの中から選んでくれ」と言うと、柳沢は「ここにはない!デザイナーは俺だ!」と怒鳴った。それを聞いた長一郎はこう怒鳴り返した。
柳沢英寿
民子が差し入れに来た日、現場では2階のリビングに塗るペンキの壁の色を、柳沢が選んでいた。長一郎たちが「俺たちの感覚じゃ、まずこういう色は使わない。白は汚れるから、みんな、嫌がるんだ。普通は」と言うと、彼はこう言い返した。
飯島直介
ある日の夜、民子はあまりに父の長一郎とデザイナーの柳沢が、何かと対立することを悩み、直介に相談すると、彼はこう言った。そして「僕に言わせれば、似たもの同士だな。あの二人は」と続けて答えた。
柳沢英寿
長一郎は、直介に連れられて、柳沢がデザインしたレストランに入った。直介が電話で席を外している間、長一郎は、鞄から新聞紙に巻いたある物を出した。その中には彼が望んでいたタイルがあった。長一郎は「それ『竹割り』って言うんだ。倉庫に眠ってたやつ、やっと見つけた。よく知ってたな。要はあんたは昔の物が好きなんだ。だから最近のカタログをもってきても、あんたは絶対いやがる」と言うと、柳沢はこう言った。
ある棟梁
ある夜、大雨注意報が出た。心配する民子。長一郎も心配し「ちょっと出てくる」と言って、建築中の家に行き、雨漏りなどがないか、点検をしていた。2階の点検を終えた長一郎が1階に下りていくと、玄関から柳沢がバケツを持って駆け込んできた。彼も心配で見に来たのだ。二人で点検し終わると、長一郎は「これぐらいの雨じゃ、びくともしねえよ。心配ない」と電話で民子に伝えた。
柳沢英寿
大雨注意報の夜、長一郎と柳沢は現場に点検に行った。それで直介も現場に行くが、帰りの柳沢の車と鉢合わせ、彼の車が横転してしまう。そこに積んでいた200万円相当の高価な家具が壊れてしまう。それは、お得意様から修復依頼されてた家具だった。現場で、崩壊した家具を見て途方にくれる柳沢。それを見た長一郎は修復を始めた。修復中、直介は柳沢に「こんなことして価値はさがらないの?」と聞くと、彼はこう答えた。
岩田長一郎
大雨注意報の夜、点検に来た長一郎と柳沢と直介。事故で柳沢の高価な家具が完全崩壊したが、長一郎が修理してしまう。修理後、長一郎は、奈良の東大寺の南大門の梁にあった墨つぼの話をし始め、「誰か知らねえが、そいつはわざと置いていった。この門は俺が作ったっていう証だ」と言った。直介は「それは画家が自分の絵にサインするようなもんですね」と言うと、長一郎は「それじゃ、みんなが見るからダメだ」と言い、こう続けた。
家を建てるのも、コメディだ。「みんなのいえ」を視聴した感想です。三谷幸喜監督らしい、上品なコメディ映画だと思いました。面白かったです。新築の家を建てる際のドタバタコメディですが、全体的に落ち着いた雰囲気で、大人から子供まで楽しめるような作品だと思いました。唐沢寿明さん演じるデザイナーの柳沢と、民子の父であり、ベテラン大工の長一郎のチグハグなやり取りと、どちらにも顔を立てようとして空回りする直介。そのドタバタのやり取りが終始続きます。長一郎を演じた田中邦衛さんも、味のある演技をしていたと思います。「おれは、インチなんかで家は立てられねえ」みたいなセリフが、自然に出てくる人なんだなと思いました。ベテランの日本の大工の、誠実な仕事への姿勢が演技から感じられました。最初は素人とバカにしていた柳沢と打ち解けていく様子が、見ていて気持ちが良かったです。最後に柳沢と意気投合して、二人で丘の上から家を...この感想を読む