幻の光の評価
幻の光についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
幻の光の感想
娯楽性はゼロ、日本人の深部を思わせてくれる静かな映画
親しい人がつぎつぎ自分の元から去って行ってしまう。そう感じた女性が、奥能登の人里離れた島に結婚して赴き、暮らしながらも、過去にわだかまりを持ち続けている、という話。全編ほぼモノクロの映画。色彩が限られているだけでなく、自然光だけで撮ったのか?というほどに光量の少ない映像が続く。家の中のシーンでは、よく見えない、ぐらいに暗い場面もある。それゆえ、というわけではないが、島の自然を描き出す映像はとても美しい。再婚相手の内藤剛志がとてもいい味を出している。主演の江角マキコの演技については、賛否両論あるようだけど、棒立ちに近い状態が、この映画に限っていえば、キャラと合っていたと思う。娯楽性は極端に乏しいし、ラストもなにか解決したと言い切れない話だけど、日本人にはこういうところがあるんじゃないかなーと、深部を思わせてくれる映画だ。