アイズ ワイド シャットの評価
アイズ ワイド シャットについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が4件掲載中です。
各項目の評価分布
アイズ ワイド シャットの感想
深みに落ちていく夫婦の関係
晩年のキューブリック自身はこの作品を「トムとニコールがダメにした完全な駄作だ」と大いに不満を漏らしていたが、俺の目にはなかなかの作品に見える。シュニッツラーの原作も読んだが、原作が幻惑的な世界を描いているのに対して、キューブリックの作品は夫婦間の埋めがたい溝を深める深刻な懐疑に焦点が当たっているように思える。とはいえトム演じる主人公が足を踏み入れた邪教の祝祭のシーンは、その露骨な性表現にもかかわらず、あまりの妖艶な美しさに思わず涙しそうになった。また、ニコール演じる妻が今すぐしなければならないことを問われた時に、一言「ファックよ」と答える場面は、もはやセックスすら欺瞞の具にしかならないことを示してはいないだろうか。