きみはペットの感想一覧
漫画「きみはペット」についての感想が5件掲載中です。実際に漫画を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
時を経ても色あせない大人同士の恋の魅力
大人がわかるこのつらさモデル級のスタイルの良さと美しい顔立ち、ハーバード大学を卒業し仕事の第一線で活躍してきたスミレ(27歳)。その隙のなさゆえに付き合っていた彼氏に浮気され、捨てられた彼女は、失恋の八つ当たりで部長の差し歯を折って部署の左遷をくらい、夜のゴミ捨て場で段ボールの中に眠っている青年を見つける。そこから彼女は彼をペットとして住まわせ、愛でることで、自分の気持ちに正直になることを覚えていく…頑張っている女性っていうのは、男の世界で隙を見せては負けになると思っているんですよね。そうじゃないと仕事ができないと思われる。スミレは本当はとても臆病で、だから努力して努力してあらゆるキャリアを手に入れてきたのに、結婚するのは特に努力もせず女をひけらかして庇護欲をそそる奴らばかり。見た目の美しさも逆効果になり、男を寄せ付けない雰囲気が出てしまっています。そんな働く女性に焦点を当てた漫画はたく...この感想を読む
斬新な恋愛漫画!キュンもドキッもほっこりもこの一冊に!
年下男子を”飼う”誰もが憧れる、東大卒・ハーバード大卒・新聞社勤務・美人・スタイル抜群の主人公:スミレが、役に立たない、ただ可愛いだけの年下男子:モモを”飼う”お話です。平たく言ってしまえば、”ヒモ”なんですが、それだけでは終わらないのが、作者小川彌生さんのすごいところ!!!まず、キャラクター設定が素晴らしい!!!スミレちゃんは、誰もが羨む肩書や容姿をもっていながら、性格は根暗でネガティブで自信が無い。頭がいいばっかりに、考えすぎて悩みが尽きない、憎めないキャラなんです。しかし、周りはそう思ってはくれません。肩書だけで判断し、上司や同僚にやっかまれる日々。そんな毎日に嫌気がさしているスミレの前に現れたのが、年下男子、モモだったんです。出会い方は衝撃的で、傷だらけで段ボールに入っているモモを発見したのが始まり。初めは飼うつもりなんて全くなかったのに、これがまた、モモの可愛いこと!!!特定...この感想を読む
安直な名前のただの少女漫画と思いきや。
攻撃され続けるエリート女性のつらさ東大出でしかもその上ハーバード大卒のヒロインが、疲れた仕事の帰り道に偶然ダンボールに入った美少年を拾う…という、なにこのベタな少女マンガは?的に始まるこの漫画は、読み進めるにつれ、それだけにとどまらないことに気づくのにそれほど時間はかからない。このあたりの話の展開は、小川彌生の書くきれいな画風には似つかわしくないくらい(失礼かもしれないけど)内容はヘビーなような気がする。まず主人公であるスミレはなにしろ自らが高身長、高収入、高学歴。ついでに美人。そんな彼女が付き合った相手は、印刷部の吉田くん。もちろん身長も収入も学歴も彼女より下。それでも彼女はうまく言っていると思っていたのに、彼は普通の女の子と浮気して妊娠させて破局。それでも彼女は気丈にふるまっていたけれど、気づいているのは「社会的に上というだけで悪者になるわけね」。このセリフはよみながらかなりずどん...この感想を読む
乾いた女性の心にじんわり癒しをくれる
女性なら誰もがこんなペットに癒されたい!!働く女性の心の葛藤を絶妙に捉えた作品「愛されるってこういうことだったのか」登場人物のスペックがかなり高いことは多少気になりますが、同じ働く妙齢の女性として働いてキャリアを積み重ねていくことが本当に幸せなのか、好きな人に全てを捧げる人生が幸せなのかもう一度自分自身に問いかけたくなります。何度読み返したことか・・・。世の中沢山悩んであがいて泣いて、それでも毎日頑張っている女性が沢山いると思うけど、最後はきっとすみれと同じように「愛されるってこういうことだったのか」と心から泣けるぐらい幸せに思える瞬間がきっと訪れると信じて頑張ろうと思い読むたびに励まされます。わかるわかるー!男ってこういうところずるいよね!という男のずるさが絶妙に描かれていて自分の恋愛と何度も重ね合わせてしまいました。特にはすみ先輩が、香港行きがまだ決まってもいない段階ですみれについ...この感想を読む
ココロのふれあい
「デキ」が良くて「ソツ」がないだけで、人に倦厭されがちなスミレ。恋人にすら捨てられてしまうほど、人として可愛げがなく見えてしまう不器用な人間。ある日、スミレの家の前に倒れていた青年を助けたことによってスミレの生活に「安らぎ」が訪れる。ペットといっても所詮は人間。スミレのペットになりきるために、精いっぱい尽くしてくれるモモとスミレの僅かな心の触れ合いとお互いの心のスレチガイを描いたハートフルストーリー。前半は何をしても、人間関係に報われないスミレちゃんとペットモモとの関係のはじまりの話。後半はまだ大人になりきれない、精いっぱいの青年期なモモと成熟した大人のスミレちゃんの話。すれ違ってもどこか絆があって、人生ってそれぞれが主人公でそれが交錯し合っているのだと客観視するような視点になる。成熟した大人でも、寂しいときは寂しいし、辛いときは辛い。心の安らぎ、明日もちょっと頑張る元気が欲しい人にお...この感想を読む