ディーバのあらすじ・作品解説
ディーバは、1981年に公開されたフランス映画である。監督は、「ベティ・ブルー」のジャン=ジャック・ベネックス。出演者は、フレデリック・アンドレイ 、ウィルヘルメニア=ウィンギンス・フェルナンデス 、リシャール・ボーランジェ 。 郵便配達員のジュールは、オペラ歌手のシンシア・ホーキンスのコンサートを聴きに行き、客席でこっそりとカセットに録音する。シンシアは「音楽は流れるもの 留まらない」という考えから、自分のレコードを発売しないことでも知られているオペラ歌手であり、シンシアに憧れて恋焦がれているジュールは、家で聴くために録音したのだった。しかしジュールは高品質な機械で録音していたことから、そのテープが狙われることになる。 ある日、何者かに追われて瀕死の女性が、ジュールの郵便バイクにカセットを隠したことから、その件でもジュールは狙われることになる。 不思議な雰囲気のベトナム人とギリシャ人のカップルやオペラがストーリーを彩る、新感覚のサスペンス映画である。
ディーバの評価
ディーバの感想
紺碧の映画『Diva』、その美しさの隠し味
本作は『Betty Blue』で知られる Jean-Jacques Beineix 監督の最初の長編作品です。この映画を象徴する「青」が音楽やパリの街並みと溶け込んで美しい恋物語を奏でている一方で、サスペンスの要素もあり、それらが見事に収束していくのが本作の見所です。今回は各登場人物と彼らの音楽趣味、作中での立ち位置について掘り下げつつ、この作品の美しさを引き立てている「隠し味」を探究したいと思います。謎のギリシア人 Gorodishこの役を演じた Richard Bohringer が本作で一番有名な俳優さんです。それもそのはず、この映画の原作は Delacorta (スイスの作家、Daniel Odier のペンネーム)の小説で、『Diva』は Gorodish と Alba の活躍を描いた連作の第2作にあたります。主人公であるはずの Jules が非力で、全くと言っていいほど事件解決に貢献しないのも、原作シリーズの主役がこの2人だからです。Gorodish は波を止めることを夢見ており、バスタブで...この感想を読む