大人は判ってくれないの評価
大人は判ってくれないについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に映画を観たレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
大人は判ってくれないの感想
少年時代のトリュフォー監督の自画像を描く
この映画の少年は、少年鑑別所に入れられてしまうがやがて脱走する。その主人公・アントワーヌをジャン=ピエール・レオが、フランソワ・トリュフォー監督の自画像として演じています。アントワーヌは脱走後、ひたすら海に向かって走ります。波の音が静かに優しく聞こえてくる波打ち際で足を止めて、海に背を向けたかと思うと、画面はストップモーションになって、ジャン=ピエール・レオの顔に迫ります。このラストシーンの印象が、この映画の全てを語ってくれています。少年の途方にくれながらも、何かを決意したかのような暗い表情。社会に対する少年の怒りの表情なのか、自殺への決意なのか、それは観た人それぞれが感じることなのかもしれません。瑞々しい映像とともに、何かを考えさせてくれるフランソワ・トリュフォー監督の映画です。