悪魔とラブソングの感想一覧
漫画「悪魔とラブソング」についての感想が4件掲載中です。実際に漫画を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
自分の意見をはっきり言えるってすごいこと
毒舌とも違う芯の通った誠実さ聖なる学校を追われた悪魔、可愛マリア。彼女は転校先のクラスでもその“悪魔”ぶりを炸裂させ、凶器にも近いその誠実なメッセージでクラスの歪みをぶった切る…。マリアは美しく、歌が神がかり的にうまくて、羨望だけでなく妬みすらも惹きつける。ていうか、転校してきたクラスがすげーところだったんだよ…こんなクラスあるんかい…いじめだけじゃない。裏切りと、まさかの“偽善”、妬み、そして恋する気持ち…渦巻いている。どんな学校にだって渦巻いていることなのかもしれないけれど、露骨で、痛々しい、そんな状況をうまく描いている。マリアはとにかく鋭い。気持ちを敏感にとらえることができ、予想ができ、心に秘めておきたいことをそのままの言葉で伝えてしまう。それを受け入れがたいクラスで、マリアは一気に孤立。イケメンな人からは気にかけてもらっていることから、女子からのいじめを受けることになる。それで...この感想を読む
正直であることも使い方次第
毒舌とまた違う深さ可愛マリア。聖なる学校から追放された女子高校生。彼女の転校してきたクラスは、いじめ、裏切り、偽善、無関心…ネガティブなモノの集まりのようなクラスでした。マリアはその美貌で周囲を惹きつけ、同時に妬みも引きつける女性。そして、その正直すぎるモノの言い方で人を遠ざけてしまう女性…彼女が、どうやってこのクラスの人たちと共に学校生活を送っていくのか・お互いが持つ闇をどうやって取り払っていくのか。これがこの漫画のメインテーマであったように思います。マリアはとにかく感が良く、ズケズケと本当のことを正直に話し、誠実であろうとする人です。こういう人、割といると思います。ただ、その誠実さがまぶしいとか、苦しいとか、感じてしまう人が多いんですよね。みんな誰かに何か後ろめたいものを持っていて、それは他人に打ち明けられないものもたくさんある。受け入れてもらえないことが怖くて、ひた隠しにして、同...この感想を読む
凛と生きたい人は読むべし
人ってずるい生き物なんだよねハッキリというか、ズバッと相手の心を見透かすマリアの言葉は、どうしても敵を作ってしまう。人は学校でも、職場でも、話を合わせたり、空気読んだりして生きてると思うし、やさしい言葉も自分の味方を作るためだったり、嫌いな人をディスる時も、なるべく自分が悪い人だと思われないように相手の印象を落とす言い方をしてみたり。そんな綺麗に隠してる自分の黒い部分を、ズバッと指摘するマリアだけど、本当は誰よりも自分を好きになれなくて読み進めるほど痛々しくなる。そんな誰とも共有できない思いを、歌を歌うことで自分を癒していたマリアだけど、その歌がマリアの未来を変えていく展開が私は大好きです。しかし、マリアの担任はありえない!ゲスの極みでしょ、あれは。まぁー、物語には悪役は必要なので、あのキャラはなくてはならないし、近しい先生って実際にいる気がする。本当にあんな先生がいたら、生徒から墨汁...この感想を読む
ちょっと違う視点で面白い
カトリック系のお嬢様高校に通っていたマリア。ある事情でやや評価の低い共学高校に転校してくるところから話は始まります。美人でお嬢様なマリアではありますが、冷たい雰囲気と無表情で核心につく言動で周りから距離をおかれ、何かとうわさをかけられますが、ひょうひょうとしているマリア。何か闇を抱えているように映ります。また、女子特有の「その場限りのおべんちゃら」や「陰口」「媚びを売る」ことを一切せずクラスメイトの女子が「うん、うん、わかるぅ~大変だったねー」と振る舞ってくるのに対し「本気で心配しているようには見えない。」と一喝いれるあたりは今までの少女マンガとちょっと違う。不器用だけど芯の通った女の子、これから恋に友情にどうすすんでいくのか楽しみです!