凛と生きたい人は読むべし
人ってずるい生き物なんだよね
ハッキリというか、ズバッと相手の心を見透かすマリアの言葉は、どうしても敵を作ってしまう。
人は学校でも、職場でも、話を合わせたり、空気読んだりして生きてると思うし、
やさしい言葉も自分の味方を作るためだったり、嫌いな人をディスる時も、なるべく自分が悪い人だと思われないように相手の印象を落とす言い方をしてみたり。
そんな綺麗に隠してる自分の黒い部分を、ズバッと指摘するマリアだけど、本当は誰よりも自分を好きになれなくて読み進めるほど痛々しくなる。
そんな誰とも共有できない思いを、歌を歌うことで自分を癒していたマリアだけど、その歌がマリアの未来を変えていく展開が私は大好きです。
しかし、マリアの担任はありえない!ゲスの極みでしょ、あれは。
まぁー、物語には悪役は必要なので、あのキャラはなくてはならないし、近しい先生って実際にいる気がする。
本当にあんな先生がいたら、生徒から墨汁をかけられてるだろうけど・・
優介の愛し方は無理でしょ!
マリアの生き方に次第と人が惹きつけられてくる中で、マリアを好きになっていく3人の男子は
いい男。
だけど、優介の愛し方はやっぱり無理でしょ!って思ってしまう。
「伸を愛するマリアが、自分が好きになったマリアだ」なんて、やっぱりこれは自分の心をラブリー変換しすぎでしょ!と納得できないかなぁ。
人を好きになる気持ちは、そんな綺麗に片付けられないんじゃないかな・・と思ってしまう。
あんなに好きなら奪いたくなるんじゃないかな・・
もう少し、優介と伸の本気の奪い合いをみたかった。
なんか優介の愛し方は優しさとは違う気がしてしまう。
マリアの生き方って難しいけどあこがれる
そして、マリアとあゆ、そして友世の友情は、嫌いだった相手を信頼して大切に思うようになっていく流れは、読んだらうらやましくなる部分。
現実では、相手を嫌だと思ったところから距離を置いて付き合わないようにするものだから。
もしかしたら人は、もう少し踏み込んで相手を知ろうとすると、関係性が変わるのかもしれないと思わせてくれる。
人はみんな自分が傷つきたくなくて、距離を置いてしまうけど、マリアが映し出す心の鏡は
自分を変えるきっかけにもなるし、変わりたいと思っている人の心にはグサッとくるんだろう。
マリアの凛とした生き方が、人の心を曇りなく映すんだけど、そこにあこがれながらも難しいなぁ~と。
みたくない自分の黒い部分だけど、誰の中にもあるし、それを批判する内容じゃなく、その黒い部分も認めて生きた方が、自分らしく生きていける!って勇気をもらえる。
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