わたしが・棄てた・女の評価
わたしが・棄てた・女についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が2件掲載中です。
各項目の評価分布
わたしが・棄てた・女の感想
良心のかけら
若いころに初めて読んだときから、胸に残る切ない思い。純真な娘さんが軽薄な男に遊ばれて捨てられる話です。2人の気持ちの違いとその重さの違いに、哀しさを感じます。実際の世の中にも、こんな関係はいくらでもあることでしょう。そして立場は男女が逆である場合も多いかもしれません。そして現在の私は、読みながら男に憎しみを感じました。自分の娘がこんな男にひっかかったら・・・そんな気持ちがするためでしょう。最後に男が見せる良心のかけら。そこに少し救われます。冷血な極悪な人間ではないことが、うかがわれてほっとします。ただただ、考えが足りずに利己的だっただけなのでしょう。こんなことなんでもないさ・・・と自分に言い聞かせる場面はこの男の良心のかけらを感じさせ、少しの安堵をくれました。