ごんぎつねとてぶくろの評価
ごんぎつねとてぶくろについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
ごんぎつねとてぶくろの感想
「ごんぎつね」と「てぶくろを買いに」、幸せな結末を迎えたのはどちらか?
「ごんぎつね」はバッドエンドか国語の教科書に載る定番の童話である「ごんぎつね」。主人公の子ぎつねが人間の兵十に撃ち殺されるラストシーンは、子供の目にはひどくあっけないバッドエンドに見えるでしょう。健気で哀れなごんが、薄情な兵十に殺されてしまう物語。しかし、本当にただそれだけの物語なのでしょうか。大人になってから読み返してみると、まったく違うストーリーが見えてきます。「ごんぎつね」は、視点主であるきつねのごんが非常に感情豊かなため、一見、人語を解するきつねによるファンタジックなストーリーに思えます。しかし実際には、ごんが発言をするシーンは一切ありません。ごんが思ったり感じたりしたことは、ごん自身の中から外の世界に出されたことは一度もないのです。うなぎにまきつかれて横っとびに飛び出す挙動といい、森の中に穴をほって暮らす習性といい、その姿は特別なものではなく、あくまでもただの野生動物です。兵...この感想を読む