皮肉たっぷりの和製スパイアクション小説
一つ目の皮肉:命を売るほどに生に近づくこの物語は皮肉の物語である。主人公は人生がつまらないもの無意味なものだと感じ自分の生に終止符を打つために命を売りに出す。しかし、命を売るに出す出す中で彼は今までの人生で経験したことのない様々な奇妙な人、もの達と遭遇する、女房殺したいほど憎んでいる男、未亡人である吸血鬼の女、自分を愛したオールドミス、某国のスパイ合戦、狂人女との婚約、裏社会を暗躍する「AGS」という組織。そんなドラマのような奇妙奇天烈な経験の中で人生の興味関心をなくしたままでいることができるだろうか。彼は皮肉にも人生の興味関心を無くし命を捨てることでより人間らしく人生を満喫することができてしまったのであるその結果彼は人生、生への興味関心、死への恐怖を取り戻してしまうことになる。 二つ目の皮肉:命を売るということ 少し話が変わるが『命売ります』は三島没後45年の2015年(平成27年)に突如人気が...この感想を読む
4.04.0
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